過労死問題について知る


労働者災害補償保険法

(昭和二十二年四月七日法律第五十号)

最終改正:平成一二年一一月二二日法律第一二四号

第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 保険関係の成立及び消滅(第六条)
第三章 保険給付
第一節 通則(第七条―第十二条の七)
第二節 業務災害に関する保険給付(第十二条の八―第二十条)
第三節 通勤災害に関する保険給付(第二十一条―第二十五条)
第四節 二次健康診断等給付(第二十六条―第二十八条)
第三章の二 労働福祉事業(第二十九条)
第四章 費用の負担(第三十条―第三十二条)
第四章の二 特別加入(第三十三条―第三十七条)
第五章 不服申立て及び訴訟(第三十八条―第四十一条)
第六章 雑則(第四十二条―第五十条)
第七章 罰則(第五十一条―第五十四条)
附則

第一章 総則

第一条  労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

第二条  労働者災害補償保険は、政府が、これを管掌する。

第二条の二  労働者災害補償保険は、第一条の目的を達成するため、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、労働福祉事業を行うことができる。

第三条  この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。
○2  前項の規定にかかわらず、国の直営事業、官公署の事業(労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)別表第一に掲げる事業を除く。)及び船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)第十七条 の規定による船員保険の被保険者については、この法律は、これを適用しない。

第二章 保険関係の成立及び消滅

第六条  保険関係の成立及び消滅については、徴収法 の定めるところによる。

第三章 保険給付

第一節 通則

第七条  この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一  労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付
二  労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付
三  二次健康診断等給付
○2  前項第二号の通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
○3  労働者が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、第一項第二号の通勤と しない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場 合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

第八条  給付基礎日額は、労働基準法第十二条 の平均賃金に相当する額とする。この場合において、同条第一項 の平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、前条第一項各号に規定する負傷若しくは死亡の原因である事故が発生した日又は診断によつて同項各号に規定する疾病の発生が確定した日(以下「算定事由発生日」という。)とする。
○2  労働基準法第十二条 の平均賃金に相当する額を給付基礎日額とすることが適当でないと認められるときは、前項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところによつて政府が算定する額を給付基礎日額とする。

第八条の二  休業補償給付又は休業給付(以下この条において「休業補償給付等」という。)の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額(以下この条において「休業給付基礎日額」という。)については、次に定めるところによる。
一  次号に規定する休業補償給付等以外の休業補償給付等については、前条の規定により給付基礎日額として算定した額を休業給付基礎日額とする。
二  一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの各区分による期間(以下この条において「四半期」という。)ごとの平均 給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人 当たりの給与の一箇月平均額をいう。以下この号において同じ。)が、算定事由発生日の属する四半期(この号の規定により算定した額(以下この号において 「改定日額」という。)を休業給付基礎日額とすることとされている場合にあつては、当該改定日額を休業補償給付等の額の算定の基礎として用いるべき最初の 四半期の前々四半期)の平均給与額の百分の百十を超え、又は百分の九十を下るに至つた場合において、その上昇し、又は低下するに至つた四半期の翌々四半期 に属する最初の日以後に支給すべき事由が生じた休業補償給付等については、その上昇し、又は低下した比率を基準として厚生労働大臣が定める率を前条の規定 により給付基礎日額として算定した額(改定日額を休業給付基礎日額とすることとされている場合にあつては、当該改定日額)に乗じて得た額を休業給付基礎日 額とする。
○2  休業補償給付等を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償給付等に係る療養を開始した日から起算して一年六箇月を経過した日以後の日である場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める額を休業給付基礎日額とする。
一  前項の規定により休業給付基礎日額として算定した額が、厚生労働省令で定める年齢階層(以下この条において単に「年齢階層」という。)ごとに休業給付基 礎日額の最低限度額として厚生労働大臣が定める額のうち、当該休業補償給付等を受けるべき労働者の当該休業補償給付等を支給すべき事由が生じた日の属する 四半期の初日(次号において「基準日」という。)における年齢の属する年齢階層に係る額に満たない場合 当該年齢階層に係る額
二  前項の規定により休業給付基礎日額として算定した額が、年齢階層ごとに休業給付基礎日額の最高限度額として厚生労働大臣が定める額のうち、当該休業補償給付等を受けるべき労働者の基準日における年齢の属する年齢階層に係る額を超える場合 当該年齢階層に係る額
○3  前項第一号の厚生労働大臣が定める額は、毎年、年齢階層ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、当該年齢階層に属するすべての労働者を、その受けて いる一月当たりの賃金の額(以下この項において「賃金月額」という。)の高低に従い、二十の階層に区分し、その区分された階層のうち最も低い賃金月額に係 る階層に属する労働者の受けている賃金月額のうち最も高いものを基礎とし、労働者の年齢階層別の就業状態その他の事情を考慮して定めるものとする。
○4  前項の規定は、第二項第二号の厚生労働大臣が定める額について準用する。この場合において、前項中「最も低い賃金月額に係る」とあるのは、「最も高い賃金月額に係る階層の直近下位の」と読み替えるものとする。

第八条の三  年金たる保険給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額(以下この条において「年金給付基礎日額」という。)については、次に定めるところによる。
一  算定事由発生日の属する年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の翌々年度の七月以前の分として支給する年金たる保険給付については、第八条の規定により給付基礎日額として算定した額を年金給付基礎日額とする。
二  算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月以後の分として支給する年金たる保険給付については、第八条の規定により給付基礎日額として算定した額に当 該年金たる保険給付を支給すべき月の属する年度の前年度(当該月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、前々年度)の平均給与額(厚生労働省に おいて作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額 をいう。以下この号及び第十六条の六第二項において同じ。)を算定事由発生日の属する年度の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率 を乗じて得た額を年金給付基礎日額とする。
○2  前条第二項から第四項までの規定は、年金給付基礎日額について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「次条第一項」と、同項第一 号中「休業補償給付等」とあるのは「年金たる保険給付」と、「支給すべき事由が生じた日」とあるのは「支給すべき月」と、「四半期の初日(次号」とあるの は「年度の八月一日(当該月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、当該年度の前年度の八月一日。以下この項」と、「年齢の」とあるのは「年齢 (遺族補償年金又は遺族年金を支給すべき場合にあつては、当該支給をすべき事由に係る労働者の死亡がなかつたものとして計算した場合に得られる当該労働者 の基準日における年齢。次号において同じ。)の」と、同項第二号中「休業補償給付等」とあるのは「年金たる保険給付」と読み替えるものとする。

第八条の四   前条第一項の規定は、障害補償一時金若しくは遺族補償一時金又は障害一時金若しくは遺族一時金の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額について準用す る。この場合において、同項中「の分として支給する」とあるのは「に支給すべき事由が生じた」と、「支給すべき月」とあるのは「支給すべき事由が生じた 月」と読み替えるものとする。

第八条の五  給付基礎日額に一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。

第九条  年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。
○2  年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
○3  年金たる保険給付は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる保険給付は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。

第十条   船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた労働者若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた 労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、 葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又は労働者が行方不明 となつた日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた労働者若しくは航 空機に乗つていてその航空機の航行中行方不明となつた労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、 その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。

第十一条  この法律に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配 偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡 の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族、遺族年金については当該遺族年金を受け ることができる他の遺族)は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
○2  前項の場合において、死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかつたときは、同項に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。
○3  未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、第一項に規定する順序(遺族補償年金については第十六条の二第三項に、遺族年金については第二十二条の四第三項において準用する第十六条の二第三項に規定する順序)による。
○4  未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

第十二条   年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金 たる保険給付は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、そ の事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われた場合における当該年金たる保険給付の当該減額すべきであつた部分につい ても、同様とする。
○2  同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病(以下この条において「同一の傷病」という。)に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除 く。以下この項において「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下この項において 「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支 払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。同一の傷病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。)を受ける権利 を有する労働者が休業補償給付若しくは休業給付又は障害補償一時金若しくは障害一時金を受ける権利を有することとなり、かつ、当該年金たる保険給付を受け る権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が支払われたときも、同様とする。
○3  同一の傷病に関し、休業補償給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償給付若しくは傷病補償年金又は障害給付若しくは傷病年金を受ける権利を有する こととなり、かつ、休業補償給付又は休業給付を行わないこととなつた場合において、その後も休業補償給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた 休業補償給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは傷病補償年金又は障害給付若しくは傷病年金の内払とみなす。

第十二条の二   年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該 年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をす べき者に支払うべき保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当する ことができる。

第十二条の二の二  労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となつた事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
○2  労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しく はこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部 を行わないことができる。

第十二条の三  偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
○2  前項の場合において、事業主(徴収法第八条第一項 又は第二項 の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該元請負人。以下同じ。)が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行なわれたものであるときは、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
○3  徴収法第二十六条第二十八条第二十九条 及び第四十一条 の規定は、前二項の規定による徴収金について準用する。

第十二条の四  政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
○2  前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。

第十二条の五  保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。
○2  保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を労働福祉事業団法 (昭和三十二年法律第百二十六号)の定めるところにより労働福祉事業団に担保に供する場合は、この限りでない。

第十二条の六  租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。

第十二条の七  保険給付を受ける権利を有する者は、厚生労働省令で定めるところにより、政府に対して、保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める事項を届け出、又は保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める書類その他の物件を提出しなければならない。

第二節 業務災害に関する保険給付

第十二条の八  第七条第一項第一号の業務災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一  療養補償給付
二  休業補償給付
三  障害補償給付
四  遺族補償給付
五  葬祭料
六  傷病補償年金
七  介護補償給付

○2  前項の保険給付(傷病補償年金及び介護補償給付を除く。)は、労働基準法第七十五条 から第七十七条 まで、第七十九条 及び第八十条 に規定する災害補償の事由が生じた場合に、補償を受けるべき労働者若しくは遺族又は葬祭を行う者に対し、その請求に基づいて行う。
○3  傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日において次の各号のいずれにも 該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつたときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
一  当該負傷又は疾病が治つていないこと。
二  当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
○4  介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障 害であつて厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けてい る間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
一  身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)第三十条 に規定する身体障害者療護施設その他これに準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間
二  病院又は診療所に入院している間

第十三条  療養補償給付は、療養の給付とする。
○2  前項の療養の給付の範囲は、次の各号(政府が必要と認めるものに限る。)による。
一  診察
二  薬剤又は治療材料の支給
三  処置、手術その他の治療
四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六  移送
○3  政府は、第一項の療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる。

第十四条  休業補償給付は、 労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付 基礎日額の百分の六十に相当する額とする。ただし、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日に 係る休業補償給付の額は、給付基礎日額(第八条の二第二項第二号に定める額(以下この項において「最高限度額」という。)を給付基礎日額とすることとされ ている場合にあつては、同号の規定の適用がないものとした場合における給付基礎日額)から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(当該控除 して得た額が最高限度額を超える場合にあつては、最高限度額に相当する額)の百分の六十に相当する額とする。
○2  休業補償給付を受ける労働者が同一の事由について厚生年金保険法 (昭和二十九年法律第百十五号)の規定による障害厚生年金又は国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による障害基礎年金を受けることができるときは、当該労働者に支給する休業補償給付の額は、前項の規定にかかわら ず、同項の額に別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病補償年金について定める 率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回る場合には、当該政令で定める額)とする。

第十四条の二  労働者が次の各号のいずれかに該当する場合(厚生労働省令で定める場合に限る。)には、休業補償給付は、行わない。
一  監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合
二  少年院その他これに準ずる施設に収容されている場合

第十五条  障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金又は障害補償一時金とする。
○2  障害補償年金又は障害補償一時金の額は、それぞれ、別表第一又は別表第二に規定する額とする。

(障害等級等)
第十四条  障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級は、別表第一に定めるところによる。
2  別表第一に掲げる身体障害が二以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級による。
3  左の各号に掲げる場合には、前二項の規定による障害等級をそれぞれ当該各号に掲げる等級だけ繰り上げた障害等級による。ただし、本文の規定による障害等 級が第八級以下である場合において、各の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額の合算額が本文の規定による障害等級に応ずる障害補償給付の 額に満たないときは、その者に支給する障害補償給付は、当該合算額による。
一  第十三級以上に該当する身体障害が二以上あるとき  一級
二  第八級以上に該当する身体障害が二以上あるとき   二級
三  第五級以上に該当する身体障害が二以上あるとき   三級
4  別表第一に掲げるもの以外の身体障害については、その障害の程度に応じ、同表に掲げる身体障害に準じてその障害等級を定める。
5  既に身体障害のあつた者が、負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害補償給付は、現在の身体障害の該 当する障害等級に応ずる障害補償給付とし、その額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額から、既にあつた身体障害の該当する障害 等級に応ずる障害補償給付の額(現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付が障害補償年金であつて、既にあつた身体障害の該当する障害等級に 応ずる障害補償給付が障害補償一時金である場合には、その障害補償一時金の額(当該障害補償年金を支給すべき場合において、法第八条の三第二項 において準用する法第八条の二第二項 各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に定める額を法第八条の四の給付基礎日額として算定した既にあつた身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償一時金の額)を二十五で除して得た額)を差し引いた額による。別表第一 障害等級表 (第十四条、第十五条、第十八条の八関係)

障害等級 給付の内容 身体障害
第一級 当該障害の存する期間一年につき給付基礎日額の三一三日分 一 両眼が失明したもの
二 そしやく及び言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
五 削除
六 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
七 両上肢の用を全廃したもの
八 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
九 両下肢の用を全廃したもの
第二級 同二七七日分 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二の二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
二の三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
三 両上肢を腕関節以上で失つたもの
四 両下肢を足関節以上で失つたもの
第三級 同二四五日分 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 そしやく又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
第四級 同二一三日分 一 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 そしやく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力を全く失つたもの
四 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
五 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両手の手指の全部の用を廃したもの
七 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
第五級 同一八四日分 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
一の二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
一の三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
二 一上肢を腕関節以上で失つたもの
三 一下肢を足関節以上で失つたもの
四 一上肢の用を全廃したもの
五 一下肢の用を全廃したもの
六 両足の足指の全部を失つたもの
第六級 同一五六日分 一 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 そしやく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
三の二 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
四 せき柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの
五 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
六 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
七 一手の五の手指又は母指及び示指を含み四の手指を失つたもの
第七級 同一三一日分 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
二の二 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
三 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
四 削除
五 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
六 一手の母指及び示指を失つたもの又は母指若しくは示指を含み三以上の手指を失つたもの
七 一手の五の手指又は母指及び示指を含み四の手指の用を廃したもの
八 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
九 一上肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
一〇 一下肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
一一 両足の足指の全部の用を廃したもの
一二 女性の外貌に著しい醜状を残すもの
一三 両側のこう丸を失つたもの
第八級 給付基礎日額の五〇三日分 一 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 せき柱に運動障害を残すもの
三 一手の母指を含み二の手指を失つたもの
四 一手の母指及び示指又は母指若しくは示指を含み三以上の手指の用を廃したもの
五 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
八 一上肢に仮関節を残すもの
九 一下肢に仮関節を残すもの
一〇 一足の足指の全部を失つたもの
一一 ひ臓又は一側のじん臓を失つたもの
第九級 同三九一日分 一 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
三 両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
五 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
六 そしやく及び言語の機能に障害を残すもの
六の二 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
六の三 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
七 一耳の聴力を全く失つたもの
七の二 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
七の三 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
八 一手の母指を失つたもの、示指を含み二の手指を失つたもの又は母指及び示指以外の三の手指を失つたもの
九 一手の母指を含み二の手指の用を廃したもの
一〇 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
一一 一足の足指の全部の用を廃したもの
一二 生殖器に著しい障害を残すもの
第一〇級 同三〇二日分 一 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 そしやく又は言語の機能に障害を残すもの
三 十四歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
三の二 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
四 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
五 一手の示指を失つたもの又は母指及び示指以外の二の手指を失つたもの
六 一手の母指の用を廃したもの、示指を含み二の手指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の三の手指の用を廃したもの
七 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
八 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
九 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
一〇 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第一一級 同二二三日分 一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
三の二 十歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
三の三 両耳の聴力が一メートル
以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
四 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
五 せき柱に奇形を残すもの
六 一手の中指又は薬指を失つたもの
七 一手の示指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の二の手指の用を廃したもの
八 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
九 胸腹部臓器に障害を残すもの
第一二級 同一五六日分 一 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 七歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
四 一耳の耳かくの大部分を欠損したもの
五 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい奇形を残すもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
八 長管骨に奇形を残すもの
九 一手の中指又は薬指の用を廃したもの
一〇 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
一一 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
一二 局部にがん固な神経症状を残すもの
一三 男性の外貌に著しい醜状を残すもの
一四 女性の外貌に醜状を残すもの
第一三級 同一〇一日分 一 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
三 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
三の二 五歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
四 一手の小指を失つたもの
五 一手の母指の指骨の一部を失つたもの
六 一手の示指の指骨の一部を失つたもの
七 一手の示指の末関節を屈伸することができなくなつたもの
八 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
一〇 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
第一四級 同五六日分 一 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
二 三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
二の二 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
三 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
四 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
五 一手の小指の用を廃したもの
六 一手の母指及び示指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
七 一手の母指及び示指以外の手指の末関節を屈伸することができなくなつたもの
八 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
九 局部に神経症状を残すもの
一〇 男性の外貌に醜状を残すもの

備考
一 視力の測定は、万国式視力表による。屈折異常のあるものについてはきよう正視力について測定する。
二 手指を失つたものとは、母指は指関節、その他の手指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 手指の用を廃したものとは、手指の末節の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは第一指関節(母指にあつては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 足指を失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節の半分以上、その他の足指は末関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは第一指関節(第一の足指にあつては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。

第十五条の二   障害補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに別表第一又は別表第二中の他の障害等級に該当するに至つた場合には、政府は、厚生 労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至つた障害等級に応ずる障害補償年金又は障害補償一時金を支給するものとし、その後は、従前の障害補償年 金は、支給しない。

第十六条  遺族補償給付は、遺族補償年金又は遺族補償一時金とする。

第十六条の二   遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持し ていたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)以外の者にあつては、労働者の死亡 の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
一  夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、父母又は祖父母については、六十歳以上であること。
二  子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること。
三  兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること又は六十歳以上であること。
四  前三号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。
○2  労働者の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子とみなす。
○3  遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とする。

第十六条の三  遺族補償年金の額は、別表第一に規定する額とする。
○2  遺族補償年金を受ける権利を有する者が二人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、別表第一に規定する額をその人数で除して得た額とする。
○3  遺族補償年金の額の算定の基礎となる遺族の数に増減を生じたときは、その増減を生じた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
○4  遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が妻であり、かつ、当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において、当該妻が次の各号の一に該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
一  五十五歳に達したとき(別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
二  別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態になり、又はその事情がなくなつたとき(五十五歳以上であるときを除く。)。

第十六条の四  遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
一  死亡したとき。
二  婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
三  直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
四  離縁によつて、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
五  子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
六  第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(夫、父 母又は祖父母については、労働者の死亡の当時六十歳以上であつたとき、子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあると き、兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時六十歳以上であつたときを除く。)。
○2  遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号の一に該当するに至つたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。

第十六条の五   遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が一年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは 次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。
○2  前項の規定により遺族補償年金の支給を停止された遺族は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
○3  第十六条の三第三項の規定は、第一項の規定により遺族補償年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合に おいて、同条第三項中「増減を生じた月」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された月」と読み替えるものとする。

第十六条の六  遺族補償一時金は、次の場合に支給する。
一  労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。
二  遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関 し支給された遺族補償年金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号に掲げる場合に該当することとなるものとしたときに支給されることとなる遺族補 償一時金の額に満たないとき。
○2  前項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額を計算する場合には、同号に規定する権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の属する月が四 月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下この項において同じ。)の七月以前の分として支給された遺族補償年金の額については、その 現に支給された額に当該権利が消滅した日の属する年度の前年度の平均給与額を当該遺族補償年金の支給の対象とされた月の属する年度の前年度(当該月が四月 から七月までの月に該当する場合にあつては、前々年度)の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率を乗じて得た額により算定するもの とする。

第十六条の七  遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。
一  配偶者
二  労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
三  前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
○2  遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位は、前項各号の順序により、同項第二号及び第三号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。

第十六条の八  遺族補償一時金の額は、別表第二に規定する額とする。
○2  第十六条の三第二項の規定は、遺族補償一時金の額について準用する。この場合において、同項中「別表第一」とあるのは、「別表第二」と読み替えるものとする。

第十六条の九  労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。
○2  労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。
○3  遺族補償年金を受けることができる遺族を故意に死亡させた者は、遺族補償一時金を受けることができる遺族としない。労働者の死亡前に、当該労働者の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、同様とする。
○4  遺族補償年金を受けることができる遺族が、遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を故意に死亡させたときは、その者は、遺族補償 年金を受けることができる遺族でなくなる。この場合において、その者が遺族補償年金を受ける権利を有する者であるときは、その権利は、消滅する。
○5  前項後段の場合には、第十六条の四第一項後段の規定を準用する。

第十七条  葬祭料は、通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める金額とする。

第十八条  傷病補償年金は、第十二条の八第三項第二号の厚生労働省令で定める傷病等級に応じ、別表第一に規定する額とする。
○2  傷病補償年金を受ける者には、休業補償給付は、行わない。

第十八条の二   傷病補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに別表第一中の他の傷病等級に該当するに至つた場合には、政府は、厚生労働省令で定 めるところにより、新たに該当するに至つた傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給するものとし、その後は、従前の傷病補償年金は、支給しない。

第十九条  業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後三年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなつた場合には、労働基準法第十九条第一項 の規定の適用については、当該使用者は、それぞれ、当該三年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなつた日において、同法第八十一条 の規定により打切補償を支払つたものとみなす。

第十九条の二  介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。

第二十条  この節に定めるもののほか、業務災害に関する保険給付について必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第三節 通勤災害に関する保険給付

第二十一条  第七条第一項第二号の通勤災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一  療養給付
二  休業給付
三  障害給付
四  遺族給付
五  葬祭給付
六  傷病年金
七  介護給付

第二十二条  療養給付は、労働者が通勤(第七条第一項第二号の通勤をいう。以下同じ。)により負傷し、又は疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)にかかつた場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
○2  第十三条の規定は、療養給付について準用する。

第二十二条の二  休業給付は、労働者が通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
○2  第十四条及び第十四条の二の規定は、休業給付について準用する。この場合において、第十四条第一項中「業務上の」とあるのは「通勤による」と、同条第二 項中「別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病補償年金について定める率」とあ るのは「第二十三条第二項において準用する別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち 傷病年金について定める率」と読み替えるものとする。
○3  療養給付を受ける労働者(第三十一条第二項の厚生労働省令で定める者を除く。)に支給する休業給付であつて最初に支給すべき事由の生じた日に係るものの 額は、前項において準用する第十四条第一項の規定にかかわらず、同項の額から第三十一条第二項の厚生労働省令で定める額に相当する額を減じた額とする。

第二十二条の三  障害給付は、労働者が通勤により負傷し、又は疾病にかかり、なおつたとき身体に障害が存する場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
○2  障害給付は、第十五条第一項の厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害年金又は障害一時金とする。
○3  第十五条第二項及び第十五条の二並びに別表第一(障害補償年金に係る部分に限る。)及び別表第二(障害補償一時金に係る部分に限る。)の規定は、障害給 付について準用する。この場合において、これらの規定中「障害補償年金」とあるのは「障害年金」と、「障害補償一時金」とあるのは「障害一時金」と読み替 えるものとする。

第二十二条の四  遺族給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、当該労働者の遺族に対し、その請求に基づいて行なう。
○2  遺族給付は、遺族年金又は遺族一時金とする。
○3  第十六条の二から第十六条の九まで並びに別表第一(遺族補償年金に係る部分に限る。)及び別表第二(遺族補償一時金に係る部分に限る。)の規定は、遺族 給付について準用する。この場合において、これらの規定中「遺族補償年金」とあるのは「遺族年金」と、「遺族補償一時金」とあるのは「遺族一時金」と読み 替えるものとする。

第二十二条の五  葬祭給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、葬祭を行なう者に対し、その請求に基づいて行なう。
○2  第十七条の規定は、葬祭給付について準用する。

第二十三条  傷病年金は、 通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、 又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつたときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
一  当該負傷又は疾病が治つていないこと。
二  当該負傷又は疾病による障害の程度が第十二条の八第三項第二号の厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
○2  第十八条、第十八条の二及び別表第一(傷病補償年金に係る部分に限る。)の規定は、傷病年金について準用する。この場合において、第十八条第二項中「休業補償給付」とあるのは「休業給付」と、同表中「傷病補償年金」とあるのは「傷病年金」と読み替えるものとする。

第二十四条  介護給付は、 障害年金又は傷病年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害年金又は傷病年金の支給事由となる障害であつて第十二条の八第四項の厚生 労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げ る間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
一  身体障害者福祉法第三十条 に規定する身体障害者療護施設その他第十二条の八第四項第一号 の厚生労働大臣が定める施設に入所している間
二  病院又は診療所に入院している間
○2  第十九条の二の規定は、介護給付について準用する。

第二十五条  この節に定めるもののほか、通勤災害に関する保険給付について必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第四節 二次健康診断等給付

第二十六条  二次健康診断等給付は、労働安全衛生法 (昭和四十七年法律第五十七号)第六十六条第一項 の規定による健康診断又は当該健康診断に係る同条第五項 ただし書の規定による健康診断のうち、直近のもの(以下この項において「一次健康診断」という。)において、血圧検査、血液検査その他業務上の事由による脳血管疾患及び心臓疾患の発生にかかわる身体の状態に関する検査であつて、厚生労働省令で定めるものが行われた場合において、当該検査を受けた労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに、当該労働者(当該一次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められるものを除く。)に対し、その請求に基づいて行う。
○2  二次健康診断等給付の範囲は、次のとおりとする。
一  脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査(前項に規定する検査を除く。)であつて厚生労働省令で定めるものを行う医師による健康診断(一年度につき一回に限る。以下この節において「二次健康診断」という。)
二  二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師、保健婦又は保健士による保健指導(二次健康診断ごとに一回に限る。次項において「特定保健指導」という。)
○3  政府は、二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導を行わないものとする。

第二十七条  二次健康診断を受けた労働者から当該二次健康診断の実施の日から三箇月を超えない期間で厚生労働省令で定める期間内に当該二次健康診断の結果を証明する書面の提出を受けた事業者(労働安全衛生法第二条第三号 に規定する事業者をいう。)に対する同法第六十六条の四 の規定の適用については、同条 中「健康診断の結果(当該健康診断」とあるのは、「健康診断及び労働者災害補償保険法第二十六条第二項第一号に規定する二次健康診断の結果(これらの健康診断」とする。

第二十八条  この節に定めるもののほか、二次健康診断等給付について必要な事項は、厚生労働省令で定める。

◆労働者災害補償保険法施行規則
(二次健康診断等給付の方法等)
第十一条の三  法の規定による二次健康診断等給付は、法第二十九条第一項 の労働福祉事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所において行う。
2  都道府県労働局長は、二次健康診断等給付を行う病院若しくは診療所を指定し、又はその指定を取り消すときは、当該病院又は診療所の名称及び所在地を公告しなければならない。
3  第一項の都道府県労働局長の指定を受けた病院又は診療所は、それぞれ様式第五号又は第六号による標札を見やすい場所に掲げなければならない。

第三章の二 労働福祉事業

第二十九条  政府は、この保険の適用事業に係る労働者及びその遺族の福祉の増進を図るため、労働福祉事業として、次の事業を行うことができる。
一  療養に関する施設及びリハビリテーションに関する施設の設置及び運営その他業務災害及び通勤災害を被つた労働者(次号において「被災労働者」という。)の円滑な社会復帰を促進するために必要な事業
二  被災労働者の療養生活の援護、被災労働者の受ける介護の援護、その遺族の就学の援護、被災労働者及びその遺族が必要とする資金の貸付けによる援護その他被災労働者及びその遺族の援護を図るために必要な事業
三  業務災害の防止に関する活動に対する援助、健康診断に関する施設の設置及び運営その他労働者の安全及び衛生の確保のために必要な事業
四  賃金の支払の確保、労働条件に係る事項の管理に関する事業主に対する指導及び援助その他適正な労働条件の確保を図るために必要な事業
○2  前項各号に掲げる事業の実施に関して必要な基準は、厚生労働省令で定める。
○3  政府は、第一項の労働福祉事業のうち、労働福祉事業団法第十九条第一項第一号 に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。

第四章 費用の負担

第三十条  労働者災害補償保険事業に要する費用にあてるため政府が徴収する保険料については、徴収法 の定めるところによる。

第三十一条  政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法 の規定による災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法 の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
一  事業主が故意又は重大な過失により徴収法第四条の二第一項 の規定による届出であつてこの保険に係る保険関係の成立に係るものをしていない期間(政府が当該事業について徴収法第十五条第三項 の規定による決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故
二  事業主が徴収法第十条第二項第一号の一 般保険料を納付しない期間(徴収法第二十六条第二項 の督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故
三  事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故
○2  政府は、療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く。)から、二百円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額を一部負担金として徴収する。ただし、第二十二条の二第四項の規定により減額した休業給付の支給を受けた労働者については、この限りでない。
○3  政府は、前項の労働者から徴収する同項の一部負担金に充てるため、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に支払うべき保険給付の額から当該一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
○4  徴収法第二十六条第二十八条第二十九条 及び第四十一条 の規定は、第一項 又は第二項 の規定による徴収金について準用する。

第三十二条  国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができる。

第四章の二 特別加入

第三十三条  次の各号に掲げる者(第二号、第四号及び第五号に掲げる者にあつては、労働者である者を除く。)の業務災害及び通勤災害に関しては、この章に定めるところによる。
一  厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業(厚生労働省令で定める事業を除く。第七号において「特定事業」という。)の事業主で徴収法第三十三条第三項 の労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)に同条第一項 の労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者)
二  前号の事業主が行う事業に従事する者
三  厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者
四  前号の者が行う事業に従事する者
五  厚生労働省令で定める種類の作業に従事する者
六  この法律の施行地外の地域のうち開発途上にある地域に対する技術協力の実施の事業(事業の期間が予定される事業を除く。)を行う団体が、当該団体の業務 の実施のため、当該開発途上にある地域(業務災害及び通勤災害に関する保護制度の状況その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める国の地域を除く。)にお いて行われる事業に従事させるために派遣する者
七  この法律の施行地内において事業(事業の期間が予定される事業を除く。)を行う事業主が、この法律の施行地外の地域(業務災害及び通勤災害に関する保護 制度の状況その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める国の地域を除く。)において行われる事業に従事させるために派遣する者(当該事業が特定事業に該当 しないときは、当該事業に使用される労働者として派遣する者に限る。)

◆労働者災害補償保険法施行規則
(特別加入者の範囲)
第四十六条の十六  法第三十三条第一号の厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主は、常時三百人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については百人)以下の労働者を使用する事業主とする。第四十六条の十七  法第三十三条第三号 の厚生労働省令で定める種類の事業は、次のとおりとする。
一  自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業
二  土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業
三  漁船による水産動植物の採捕の事業
四  林業の事業
五  医薬品の配置販売の事業
六  再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業

第四十六条の十八  法第三十三条第五号 の厚生労働省令で定める種類の作業は、次のとおりとする。
一  農業(畜産及び養蚕の事業を含む。)における次に掲げる作業
イ 厚生労働大臣が定める規模の事業場における土地の耕作若しくは開墾、植物の栽培若しくは採取又は家畜(家きん及びみつばちを含む。)若しくは蚕の飼育の作業であつて、次のいずれかに該当するもの
(1) 動力により駆動される機械を使用する作業
(2) 高さが二メートル以上の箇所における作業
(3) 労働安全衛生法施行令 (昭和四十七年政令第三百十八号)別表第六第七号に掲げる酸素欠乏危険場所における作業
(4) 農薬の散布の作業
(5) 牛、馬又は豚に接触し、又は接触するおそれのある作業
ロ 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽培若しくは採取の作業であつて、厚生労働大臣が定める種類の機械を使用するもの
二  国又は地方公共団体が実施する訓練として行われる作業のうち次に掲げるもの
イ 求職者を作業環境に適応させるための訓練として行われる作業
ロ 求職者の就職を容易にするために必要な技能を習得させるための職業訓練であつて事業主又は事業主の団体に委託されるもの(厚生労働大臣が定めるものに限る。)として行われる作業
三  家内労働法 (昭和四十五年法律第六十号)第二条第二項 の家内労働者又は同条第四項 の補助者が行う作業のうち次に掲げるもの
イ プレス機械、型付け機、型打ち機、シヤー、旋盤、ボール盤又はフライス盤を使用して行う金属、合成樹脂、皮、ゴム、布又は紙の加工の作業
ロ 研削盤若しくはバフ盤を使用して行う研削若しくは研ま又は溶融した鉛を用いて行う金属の焼入れ若しくは焼きもどしの作業であつて、金属製洋食器、刃物、バルブ又はコツクの製造又は加工に係るもの
ハ 労働安全衛生法施行令 別表第六の二に掲げる有機溶剤又は有機溶剤中毒予防規則 (昭和四十七年労働省令第三十六号)第一条第一項第二号 の有機溶剤含有物を用いて行う作業であつて、化学物質製、皮製若しくは布製の履物、鞄、袋物、服装用ベルト、グラブ若しくはミツト又は木製若しくは合成樹脂製の漆器の製造又は加工に係るもの
ニ じん肺法 (昭和三十五年法律第三十号)第二条第一項第三号 の粉じん作業又は労働安全衛生法施行令 別表第四第六号の鉛化合物(以下「鉛化合物」という。)を含有する釉薬を用いて行う施釉若しくは鉛化合物を含有する絵具を用いて行う絵付けの作業若しくは当該施釉若しくは絵付けを行つた物の焼成の作業であつて陶磁器の製造に係るもの
ホ 動力により駆動される合糸機、撚糸機又は織機を使用して行う作業
ヘ 木工機械を使用して行う作業であつて、仏壇又は木製若しくは竹製の食器の製造又は加工に係るもの
四  労働組合法 (昭和二十四年法律第百七十四号)第二条 及び第五条第二項 の規定に適合する労働組合その他これに準ずるものであつて厚生労働大臣が定めるもの(常時労働者を使用するものを除く。以下この号において「労働組合等」 という。)の常勤の役員が行う集会の運営、団体交渉その他の当該労働組合等の活動に係る作業であつて、当該労働組合等の事務所、事業場、集会場又は道路、 公園その他の公共の用に供する施設におけるもの(当該作業に必要な移動を含む。)
五  介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律 (平成四年法律第六十三号)第二条第一項 に規定する介護関係業務に係る作業であつて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練又は看護に係るもの

第四十六条の二十  法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者の給付基礎日額は、三千五百円、四千円、五千円、六千円、七千円、八千円、九千円、一万円、一万二千円、一万四千円、一万六千円、一万八千円及び二万円のうちから定める。
2  前項に規定する者に関し支給する休業補償給付又は休業給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額の算定については、同項の給付基礎日額を法第八条 の規定により給付基礎日額として算定した額とみなして法第八条の二第一項 及び法第八条の五 の規定の例による。
3  第一項に規定する者に関し支給する年金たる保険給付又は障害補償一時金、遺族補償一時金、障害一時金若しくは遺族一時金の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額の算定については、同項の給付基礎日額を法第八条 の規定により給付基礎日額として算定した額とみなして法第八条の三第一項法第八条の四 において準用する場合を含む。)及び法第八条の五 の規定の例による。
4  第一項に規定する者に関し支給する葬祭料又は葬祭給付の額に係る第十七条(第十八条の十一において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第十七条中「法第八条の四 」とあるのは、「第四十六条の二十第三項 」とする。
5  所轄都道府県労働局長は、第一項の給付基礎日額を定めるに当たり、特に必要があると認めるときは、法第三十四条第一項 の申請をした事業主から、法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者の所得を証明することができる書類、当該事業に使用される労働者の賃金の額を証明することができる書類その他必要な書類を所轄労働基準監督署長を経由して提出させるものとする。
6  所轄都道府県労働局長は、第一項の給付基礎日額を定めたときは、法第三十四条第一項 の承認を受けた事業主に通知するものとする。

第四十六条の二十四  第四十六条の二十の規定は、法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者の給付基礎日額について準用する。この場合において、第四十六条の二十第四項 中「第四十六条の二十第三項 」とあるのは「第四十六条の二十四 において準用する第四十六条の二十第三項 」と、同条第五項 中「当該事業に使用される労働者の賃金」とあるのは「当該事業と同種若しくは類似の事業又は当該作業と同種若しくは類似の作業を行う事業に使用される労働者の賃金」と読み替えるものとする。

第三十四条   前条第一号の事業主が、同号及び同条第二号に掲げる者を包括して当該事業について成立する保険関係に基づきこの保険による業務災害及び通勤災害に関する保 険給付を受けることができる者とすることにつき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで及び第三章の二の規定の適用については、 次に定めるところによる。
一  前条第一号及び第二号に掲げる者は、当該事業に使用される労働者とみなす。
二  前条第一号又は第二号に掲げる者が業務上負傷し、若しくは疾病にかかつたとき、その負傷若しくは疾病についての療養のため当該事業に従事することができないとき、その負傷若しくは疾病が治つた場合において身体に障害が存するとき、又は業務上死亡したときは、労働基準法第七十五条 から第七十七条 まで、第七十九条 及び第八十条 に規定する災害補償の事由が生じたものとみなす。
三  前条第一号及び第二号に掲げる者の給付基礎日額は、当該事業に使用される労働者の賃金の額その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
四  前条第一号又は第二号に掲げる者の事故が徴収法第十条第二項第二号 の第一種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。これら の者の業務災害の原因である事故が前条第一号の事業主の故意又は重大な過失によつて生じたものであるときも、同様とする。
○2  前条第一号の事業主は、前項の承認があつた後においても、政府の承認を受けて、同号及び同条第二号に掲げる者を包括して保険給付を受けることができる者としないこととすることができる。
○3  政府は、前条第一号の事業主がこの法律若しくは徴収法 又はこれらの法律に基づく厚生労働省令の規定に違反したときは、第一項 の承認を取り消すことができる。
○4  前条第一号及び第二号に掲げる者の保険給付を受ける権利は、第二項の規定による承認又は前項の規定による第一項の承認の取消しによつて変更されない。これらの者が同条第一号及び第二号に掲げる者でなくなつたことによつても、同様とする。

◆労働者災害補償保険法施行規則
(中小事業主等の特別加入)
第四十六条の十九  法第三十四条第一項 の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書二通を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出することによつて行わなければならない。
一  事業主の氏名又は名称及び住所
二  申請に係る事業の労働保険番号及び名称並びに事業場の所在地
三  法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者の氏名、その者が従事する業務の内容並びに同条第二号 に掲げる者の当該事業主との関係
四  徴収法第三十三条第三項 の労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)に、同条第一項 の労働保険事務の処理を委託した日
2  前項第四号に掲げる事項については、労働保険事務組合の証明を受けなければならない。
3  法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者の従事する業務が、次の各号のいずれかに該当する業務(以下「特定業務」という。)である場合は、第一項各号に掲げる事項のほか、同項の申請書にその者の業務歴を記載しなければならない。
一  じん肺法第二条第一項第三号 の粉じん作業を行う業務
二  労働基準法施行規則 (昭和二十二年厚生省令第二十三号)別表第一の二第三号3の身体に振動を与える業務
三  労働安全衛生法施行令 別表第四の鉛業務
四  有機溶剤中毒予防規則第一条第一項第六号 の有機溶剤業務
4  所轄都道府県労働局長は、第一項の規定による申請に係る法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者の従事する業務が特定業務である場合であつて、その者の業務歴を考慮し特に必要があると認めるときは、第一項 の規定による申請をした事業主から、その者についての所轄都道府県労働基準局長が指定する病院又は診療所の医師による健康診断の結果を証明する書類その他必要な書類を所轄労働基準監督署長を経由して提出させるものとする。
5  所轄都道府県労働局長は、第一項の規定による申請を受けた場合において、当該申請につき承認することとしたときは、遅滞なく、文書で、その旨を当該事業主に通知しなければならない。当該申請につき承認しないこととしたときも、同様とする。
6  法第三十四条第一項 の承認を受けた事業主は、第一項第三号 に掲げる事項に変更を生じた場合又は法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者に新たに該当するに至つた者若しくはこれらに掲げる者に該当しなくなつた者が生じた場合には、遅滞なく、文書で、その旨を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働基準局長に届け出なければならない。
7  第三項の規定は、前項の規定により法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者に新たに該当するに至つた者が生じた旨の届出を行う場合について準用する。この場合において、第三項 中「第一項 各号に掲げる事項のほか、同項 の申請書」とあるのは、「その旨のほか、第六項 の届出に係る文書」と読み替えるものとする。
8  第四項の規定は、第六項の規定による法第三十三条第一号 及び第二号 に掲げる者に新たに該当するに至つた者が生じた旨の届出に係る者の従事する業務が特定業務である場合について準用する。この場合において、第四項 中「第一項 の規定による申請」とあるのは、「第六項 の規定による届出」と読み替えるものとする。

第三十五条   第三十三条第三号に掲げる者の団体又は同条第五号に掲げる者の団体が、当該団体の構成員である同条第三号に掲げる者及びその者に係る同条第四号に掲げる者 又は当該団体の構成員である同条第五号に掲げる者の業務災害及び通勤災害(これらの者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省 令で定める者にあつては、業務災害に限る。)に関してこの保険の適用を受けることにつき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで (当該厚生労働省令で定める者にあつては、同章第一節及び第二節)、第三章の二及び徴収法第二章 から第六章 までの規定の適用については、次に定めるところによる。
一  当該団体は、第三条第一項の適用事業及びその事業主とみなす。
二  当該承認があつた日は、前号の適用事業が開始された日とみなす。
三  当該団体に係る第三十三条第三号から第五号までに掲げる者は、第一号の適用事業に使用される労働者とみなす。
四  当該団体の解散は、事業の廃止とみなす。
五  前条第一項第二号の規定は、第三十三条第三号から第五号までに掲げる者に係る業務災害に関する保険給付の事由について準用する。この場合において同条第 五号に掲げる者に関しては、前条第一項第二号中「業務上」とあるのは「当該作業により」と、「当該事業」とあるのは「当該作業」と読み替えるものとする。
六  第三十三条第三号から第五号までに掲げる者の給付基礎日額は、当該事業と同種若しくは類似の事業又は当該作業と同種若しくは類似の作業を行う事業に使用される労働者の賃金の額その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
七  第三十三条第三号から第五号までに掲げる者の事故が、徴収法第十条第二項第三号 の第二種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
○2  一の団体に係る第三十三条第三号から第五号までに掲げる者として前項第三号の規定により労働者とみなされている者は、同一の種類の事業又は同一の種類の作業に関しては、他の団体に関し重ねて同号の規定により労働者とみなされることはない。
○3  第一項の団体は、同項の承認があつた後においても、政府の承認を受けて、当該団体についての保険関係を消滅させることができる。
○4  政府は、第一項の団体がこの法律若しくは徴収法 又はこれらの法律に基づく厚生労働省令の規定に違反したときは、当該団体についての保険関係を消滅させることができる。
○5  第三十三条第三号から第五号までに掲げる者の保険給付を受ける権利は、同条第三号又は第五号に掲げる者が第一項の団体から脱退することによつて変更されない。同条第三号から第五号までに掲げる者がこれらの規定に掲げる者でなくなつたことによつても、同様とする。

◆労働者災害補償保険法施行規則
(一人親方等の特別加入)
第四十六条の二十二の二  法第三十五条第一項 の厚生労働省令で定める者は、第四十六条の十七第一号 又は第三号 に掲げる事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者及びこれらの者が行う事業に従事する者並びに第四十六条の十八第一号 又は第三号に掲げる作業に従事する者とする。第四十六条の二十三  法第三十五条第一項 の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書二通を当該申請をする団体の主たる事務所の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して当該事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出することによつて行わなければならない。
一  団体の名称及び主たる事務所の所在地
二  団体の代表者の氏名
三  団体の構成員が行なう事業の種類又は団体の構成員が従事する作業の種類
四  法第三十三条第三号 に掲げる者の団体にあつては、同号 に掲げる者及びその者に係る同条第四号 に掲げる者の氏名、これらの者が従事する業務の内容並びに同条第四号 に掲げる者の同条第三号 に掲げる者との関係
五  法第三十三条第五号 に掲げる者の団体にあつては、同号 に掲げる者の氏名及びその者が従事する作業の内容
2  法第三十五条第一項 の申請をしようとする団体(第四十六条の十八第三号に掲げる作業に従事する者の団体を除く。)は、あらかじめ、法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者の業務災害の防止に関し、当該団体が講ずべき措置及びこれらの者が守るべき事項を定めなければならない。
3  第一項の申請書には、次に掲げる書類を添えなければならない。ただし、第四十六条の十八第三号に掲げる作業に従事する者の団体にあつては、第二号の書類の提出を必要としない。
一  定款、規約等団体の目的、組織、運営等を明らかにする書類
二  前項の規定により当該団体が定める業務災害の防止に関する措置及び事項の内容を記載した書類
4  第四十六条の十九第三項の規定は第一項の規定による申請を行う場合に、同条第四項の規定は第一項の規定による申請に係る法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者の従事する業務又は作業が特定業務である場合に、第四十六条の十九第五項 の規定は第一項 の規定による申請を受けた場合に、同条第六項 の規定は第一項第四号 若しくは第五号 に掲げる事項若しくは前項の書類に記載された事項に変更を生じた場合又は法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者に新たに該当するに至つた者若しくはこれらに掲げる者に該当しなくなつた者が生じた場合に準用する。この場合において、第四十六条の十九第三項 中「第三十三条第一号 及び第二号 」とあるのは「第三十三条第三号 から第五号 まで」と、「従事する業務」とあるのは「従事する業務又は作業」と、「第一項 各号」とあるのは「第四十六条の二十三第一項 各号」と、同条第四項 中「第一項 の規定による申請をした事業主」とあるのは「第四十六条の二十三第一項 の規定による申請をした団体」と、同条第五項 中「第一項 」とあるのは「第四十六条の二十三第一項 」と、「事業主」とあるのは「団体」と、同条第六項 中「法第三十四条第一項 」とあるのは「法第三十五条第一項 」と、「事業主」とあるのは「団体」と、「第一項第三号 」とあるのは「第四十六条の二十三第一項第四号 及び第五号 」とする。
5  第四十六条の十九第三項の規定は、前項において準用する第四十六条の十九第六項の規定により法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者に新たに該当するに至つた者が生じた旨の届出を行う場合について準用する。この場合において、第四十六条の十九第三項 中「法第三十三条第一号 及び第二号 」とあるのは「法第三十三条第三号 から第五号 まで」と、「従事する業務」とあるのは「従事する業務又は作業」と、「第一項 各号に掲げる事項のほか、同項 の申請書」とあるのは「その旨のほか、第四十六条の二十三第四項 において準用する第六項 の届出に係る文書」と読み替えるものとする。
6  第四十六条の十九第四項の規定は、第四項において準用する第四十六条の十九第六項の規定による法第三十三条第三号 から第五号 までに掲げる者に新たに該当するに至つた者が生じた旨の届出に係る者の従事する業務又は作業が特定業務である場合について準用する。この場合において、第四十六条の十九第四項 中「第一項 の規定による申請をした事業主」とあるのは、「第四十六条の二十三第四項 において準用する第六項 の規定による届出をした団体」と読み替えるものとする。

第三十六条   第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主が、同条第六号又は第七号に掲げる者を、当該団体又は当該事業主がこの法律の施行地内において行う事業(事 業の期間が予定される事業を除く。)についての保険関係に基づきこの保険による業務災害及び通勤災害に関する保険給付を受けることができる者とすることに つき申請をし、政府の承認があつたときは、第三章第一節から第三節まで及び第三章の二の規定の適用については、次に定めるところによる。
一  第三十三条第六号又は第七号に掲げる者は、当該事業に使用される労働者とみなす。
二  第三十四条第一項第二号の規定は第三十三条第六号又は第七号に掲げる者に係る業務災害に関する保険給付の事由について、同項第三号の規定は同条第六号又 は第七号に掲げる者の給付基礎日額について準用する。この場合において、同項第二号中「当該事業」とあるのは、「第三十三条第六号又は第七号に規定する開 発途上にある地域又はこの法律の施行地外の地域において行われる事業」と読み替えるものとする。
三  第三十三条第六号又は第七号に掲げる者の事故が、徴収法第十条第二項第三号の二 の第三種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
○2  第三十四条第二項及び第三項の規定は前項の承認を受けた第三十三条第六号の団体又は同条第七号の事業主について、第三十四条第四項の規定は第三十三条第 六号又は第七号に掲げる者の保険給付を受ける権利について準用する。この場合において、これらの規定中「前項の承認」とあり、及び「第一項の承認」とある のは「第三十六条第一項の承認」と、第三十四条第二項中「同号及び同条第二号に掲げる者を包括して」とあるのは「同条第六号又は第七号に掲げる者を」と、 同条第四項中「同条第一号及び第二号」とあるのは「第三十三条第六号又は第七号」と読み替えるものとする。

◆労働者災害補償保険法施行規則
(海外派遣者の特別加入)
第四十六条の二十五の二  法第三十六条第一項 の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書二通を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出することによつて行わなければならない。
一  法第三十三条第六号 の団体にあつては団体の名称及び住所、同条第七号 の事業主にあつては当該事業主の氏名又は名称及び住所
二  申請に係る事業の労働保険番号及び名称並びに事業場の所在地
三  法第三十三条第六号 又は第七号 に掲げる者の氏名、その者が従事する事業の名称、その事業場の所在地及び当該事業場においてその者が従事する業務の内容
2  第四十六条の十九第五項の規定は前項の規定による申請について、同条第六項の規定は前項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合又は法第三十三条第六号 若しくは第七号 に掲げる者に新たに該当するに至つた者若しくはこれらの規定に掲げる者に該当しなくなつた者が生じた場合について準用する。この場合において、第四十六条の十九第五項 中「第一項 」とあるのは「第四十六条の二十五の二第一項 」と、「事業主」とあるのは「団体又は事業主」と、同条第六項 中「法第三十四条第一項 の承認を受けた事業主」とあるのは「法第三十六条第一項 の承認を受けた団体及び事業主」と読み替えるものとする。

第三十七条  この章に定めるもののほか、第三十三条各号に掲げる者の業務災害及び通勤災害に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第五章 不服申立て及び訴訟

第三十八条  保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
○2  前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日から三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、当該審査請求に係る処分について、決定を経ないで、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
○3  第一項の審査請求及び前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、これを裁判上の請求とみなす。

第三十九条  前条第一項の審査請求及び同条第一項又は第二項の再審査請求については、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)第二章第一節第二節 (第十八条及び第十九条を除く。)及び第五節 の規定を適用しない。

第四十条  第三十八条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一  再審査請求がされた日から三箇月を経過しても裁決がないとき。
二  再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

第四十一条  徴収法第三十七条 の規定は第三十一条第一項 の規定による徴収金について、徴収法第三十八条 の規定は第十二条の三第一項 及び第二項 並びに第三十一条第一項 の規定による徴収金について準用する。

第六章 雑則

第四十二条  療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付及び二次健康診断等給付を受ける権利は、二年を経過したとき、障害補償給付、遺族補償給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、五年を経過したときは、時効によつて消滅する。

第四十三条  この法律又はこの法律に基づく政令及び厚生労働省令に規定する期間の計算については、民法 の期間の計算に関する規定を準用する。

第四十四条  労働者災害補償保険に関する書類には、印紙税を課さない。

第四十五条  市町村長(特別区及び地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市においては、区長とする。)は、行政庁又は保険給付を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、保険給付を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。

第四十六条  行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者を使用する者、労働保険事務組合又は第三十五条第一項に規定する団体に対して、この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。

第四十七条   行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者(第三十四条第一項第一号、第三十五条第一項第三号又は第三 十六条第一項第一号の規定により当該事業に使用される労働者とみなされる者を含む。)若しくは保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、この法 律の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出(以下この条において「報告等」という。)若しくは出頭を命じ、又は保険給付の原因である事故を 発生させた第三者(第五十三条において「第三者」という。)に対して、報告等を命ずることができる。

第四十七条の二  行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。

第四十七条の三  政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、第十二条の七の規定による届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をしないとき、又は前二条の規定による命令に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。

第四十八条  行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場又は労働保険事務組合若しくは第三十五条第一項に規定する団体の事務所に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
○2  前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
○3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第四十九条   行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによつて、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺 族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行つた診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類 その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができる。
○2  前条第二項の規定は前項の規定による検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

第四十九条の二  この法律に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

第四十九条の三  この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。

第五十条  この法律の施行に関する細目は、厚生労働省令で、これを定める。

第七章 罰則

第五十一条   事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。労働保険事務組合又は第三十五条第一項に規定する団体がこ れらの各号のいずれかに該当する場合におけるその違反行為をした当該労働保険事務組合又は当該団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、同様とす る。
一  第四十六条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
二  第四十八条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

第五十二条  削除

第五十三条  事業主、労働保険事務組合及び第三十五条第一項に規定する団体以外の者(第三者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一  第四十七条の規定による命令に違反して報告若しくは届出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは届出をし、又は文書その他の物件の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
二  第四十八条第一項の規定による当該職員の質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
三  第四十九条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、虚偽の報告をし、若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示をせず、又は同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

第五十四条   法人(法人でない労働保険事務組合及び第三十五条第一項に規定する団体を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人そ の他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十一条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰 金刑を科する。
○2  前項の規定により法人でない労働保険事務組合又は第三十五条第一項に規定する団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその労働保険事務組合又は団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

附則 抄

第五十八条 政府は、当分の間、障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該障害補償年金の額(当該障害補 償年金のうち当該死亡した日の属する年度(当該死亡した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下この項において同 じ。)の七月以前の分として支給された障害補償年金にあつては、労働省令で定めるところにより第十六条の六第二項の規定の例により算定して得た額)及び当 該障害補償年金に係る障害補償年金前払一時金の額(当該障害補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の七月以前に生じたものであ る場合にあつては、労働省令で定めるところにより同項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)の合計額が次の表の上欄に掲げる当 該障害補償年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(当該死亡した日が算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月一日以後の日である場 合にあつては、労働省令で定めるところにより第八条の四において準用する第八条の三第一項の規定の例により算定して得た額を同表の給付基礎日額とした場合 に得られる額)に満たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、その差額に相当する額の障害補償年金差額一時金を支給する。

障害等級
第一級 給付基礎日額の一、三四〇日分
第二級 給付基礎日額の一、一九〇日分
第三級 給付基礎日額の一、〇五〇日分
第四級 給付基礎日額の九二〇日分
第五級 給付基礎日額の七九〇日分
第六級 給付基礎日額の六七〇日分
第七級 給付基礎日額の五六〇日分

○2 障害補償年金差額一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。この場合において、障害補償年金差額一時金を受けるべき遺族の順位は、次の各号の順序により、当該各号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。
一 労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
二 前号に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
○3 障害補償年金差額一時金の支給を受ける権利は、五年を経過したときは、時効によつて消滅する。
○4 障害補償年金差額一時金は、遺族補償給付とみなして第十条の規定を、第十六条の六第一項第二号の場合に支給される遺族補償一時金とみなして徴収法第十二条第三項及び第二十条第一項の規定を適用する。
○5 第十六条の三第二項並びに第十六条の九第一項及び第二項の規定は、障害補償年金差額一時金について準用する。この場合において、第十六条の三第二項中「前項」とあるのは「第五十八条第一項」と、「別表第一」とあるのは「同項」と読み替えるものとする。

第五十九条 政府は、当分の間、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治つたとき身体に障害が存する場合における当該障害に関しては、障害補償年金を受ける権利を有する者に対し、その請求に基づき、保険給付として、障害補償年金前払一時金を支給する。
○2 障害補償年金前払一時金の額は、前条第一項の表の上欄に掲げる当該障害補償年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(算定事由発生 日の属する年度の翌々年度の八月以後に前項の請求があつた場合にあつては、当該障害補償年金前払一時金を障害補償一時金とみなして第八条の四の規定を適用 したときに得られる給付基礎日額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)を限度として労働省令で定める額とする。
○3 障害補償年金前払一時金が支給される場合には、当該労働者の障害に係る障害補償年金は、各月に支給されるべき額の合計額が労働省令で定める算定方法に従い当該障害補償年金前払一時金の額に達するまでの間、その支給を停止する。
○4 障害補償年金前払一時金の支給を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
○5 障害補償年金前払一時金は、障害補償年金とみなして、徴収法第十二条第三項及び第二十条第一項の規定を適用する。
○6 障害補償年金前払一時金の支給を受けた者に支給されるべき障害補償年金の支給が第三項の規定により停止されている間は、当該障害補償年金について は、国民年金法第三十六条の二第二項及び国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下この項及び次条第七項において「昭和六十年法 律第三十四号」という。)附則第三十二条第十一項の規定によりなおその効力を有するものとされた昭和六十年法律第三十四号第一条の規定による改正前の国民 年金法(以下この項及び次条第七項において「旧国民年金法」という。)第六十五条第二項(昭和六十年法律第三十四号附則第二十八条第十項においてその例に よる場合及び昭和六十年法律第三十四号附則第三十二条第十一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧国民年金法第七十九条の二第五項において準 用する場合を含む。次条第七項において同じ。)、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第四条第三項第二号ただし書並びに特別児童扶養手当等 の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)第三条第三項第二号ただし書及び第十七条第一号ただし書の規定は、適用しない。

第六十条 政府は、当分の間、労働者が業務上の事由により死亡した場合における当該死亡に関しては、遺族補償年金を受ける権利を有する遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、遺族補償年金前払一時金を支給する。
○2 遺族補償年金前払一時金の額は、給付基礎日額(算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月以後に前項の請求があつた場合にあつては、当該遺族補償 年金前払一時金を遺族補償一時金とみなして第八条の四の規定を適用したときに得られる給付基礎日額に相当する額)の千日分に相当する額を限度として労働省 令で定める額とする。
○3 遺族補償年金前払一時金が支給される場合には、当該労働者の死亡に係る遺族補償年金は、各月に支給されるべき額の合計額が労働省令で定める算定方法に従い当該遺族補償年金前払一時金の額に達するまでの間、その支給を停止する。
○4 遺族補償年金前払一時金が支給された場合における第十六条の六の規定の適用については、同条第一項第二号中「遺族補償年金の額」とあるのは、「遺族 補償年金の額及び遺族補償年金前払一時金の額(当該遺族補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の 属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度)の七月以前に生じたものである場合にあつては、労働省令で定めるところにより次項 の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)」とする。
○5 遺族補償年金前払一時金の支給を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
○6 遺族補償年金前払一時金は、遺族補償年金とみなして、徴収法第十二条第三項及び第二十条第一項の規定を適用する。
○7 遺族補償年金前払一時金の支給を受けた者に支給されるべき遺族補償年金の支給が第三項の規定により停止されている間は、当該遺族補償年金について は、国民年金法第三十六条の二第二項及び昭和六十年法律第三十四号附則第三十二条第十一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧国民年金法第六 十五条第二項並びに児童扶養手当法第四条第二項第二号ただし書及び第三項第二号ただし書の規定は、適用しない。

第六十一条 政府は、当分の間、障害年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該障害年金の額(当該障害年金のうち 当該死亡した日の属する年度(当該死亡した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下この項において同じ。)の七月 以前の分として支給された障害年金にあつては、労働省令で定めるところにより第十六条の六第二項の規定の例により算定して得た額)及び当該障害年金に係る 障害年金前払一時金の額(当該障害年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の七月以前に生じたものである場合にあつては、労働省令で 定めるところにより同項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)の合計額が第五十八条第一項の表の上欄に掲げる当該障害年金に係 る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(当該死亡した日が算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月一日以後の日である場合にあつては、労働 省令で定めるところにより第八条の四において準用する第八条の三第一項の規定の例により算定して得た額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)に満 たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、その差額に相当する額の障害年金差額一時金を支給する。
○2 障害年金差額一時金は、遺族給付とみなして、第十条の規定を適用する。
○3 第十六条の三第二項、第十六条の九第一項及び第二項並びに第五十八条第二項及び第三項の規定は、障害年金差額一時金について準用する。この場合にお いて、第十六条の三第二項中「前項」とあるのは「第六十一条第一項」と、「別表第一」とあるのは「同項」と読み替えるものとする。

第六十二条 政府は、当分の間、労働者が通勤により負傷し、又は疾病にかかり、治つたとき身体に障害が存する場合における当該障害に関しては、障害年金を受ける権利を有する者に対し、その請求に基づき、保険給付として、障害年金前払一時金を支給する。
○2 障害年金前払一時金の額は、第五十八条第一項の表の上欄に掲げる当該障害年金に係る障害等級に応じ、第五十九条第二項に規定する労働省令で定める額とする。
○3 第五十九条第三項、第四項及び第六項の規定は、障害年金前払一時金について準用する。この場合において、同条第三項及び第六項中「障害補償年金」とあるのは、「障害年金」と読み替えるものとする。

第六十三条 政府は、当分の間、労働者が通勤により死亡した場合における当該死亡に関しては、遺族年金を受ける権利を有する遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、遺族年金前払一時金を支給する。
○2 遺族年金前払一時金の額は、第六十条第二項に規定する労働省令で定める額とする。
○3 第六十条第三項から第五項まで及び第七項の規定は、遺族年金前払一時金について準用する。この場合において、同条第三項中「遺族補償年金は」とある のは「遺族年金は」と、同条第四項中「第十六条の六」とあるのは「第二十二条の四第三項の規定により読み替えられた第十六条の六」と、「遺族補償年金の 額」とあるのは「遺族年金の額」と、同条第七項中「遺族補償年金の」とあるのは「遺族年金の」と、「当該遺族補償年金」とあるのは「当該遺族年金」と読み 替えるものとする。

第六十四条 労働者又はその遺族が障害補償年金若しくは遺族補償年金又は障害年金若しくは遺族年金 (以下この条において「年金給付」という。)を受けるべき場合(当該年金給付を受ける権利を有することとなつた時に、当該年金給付に係る障害補償年金前払 一時金若しくは遺族補償年金前払一時金又は障害年金前払一時金若しくは遺族年金前払一時金(以下この条において「前払一時金給付」という。)を請求するこ とができる場合に限る。)であつて、同一の事由について、当該労働者を使用している事業主又は使用していた事業主から民法その他の法律による損害賠償(以 下単に「損害賠償」といい、当該年金給付によつててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けることができるときは、当該損害賠償については、当分 の間、次に定めるところによるものとする。
一 事業主は、当該労働者又はその遺族の年金給付を受ける権利が消滅するまでの間、その損害の発生時から当該年金給付に係る前払一時金給付を受けるべき時 までの法定利率により計算される額を合算した場合における当該合算した額が当該前払一時金給付の最高限度額に相当する額となるべき額(次号の規定により損 害賠償の責めを免れたときは、その免れた額を控除した額)の限度で、その損害賠償の履行をしないことができる。
二 前号の規定により損害賠償の履行が猶予されている場合において、年金給付又は前払一時金給付の支給が行われたときは、事業主は、その損害の発生時から 当該支給が行われた時までの法定利率により計算される額を合算した場合における当該合算した額が当該年金給付又は前払一時金給付の額となるべき額の限度 で、その損害賠償の責めを免れる。
○2 労働者又はその遺族が、当該労働者を使用している事業主又は使用していた事業主から損害賠償を受けることができる場合であつて、保険給付を受けるべ きときに、同一の事由について、損害賠償(当該保険給付によつててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、労働者災害補償保険 審議会の議を経て労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。ただし、前項に規定する年金給付を受けるべき場合におい て、次に掲げる保険給付については、この限りでない。
一 年金給付(労働者又はその遺族に対して、各月に支給されるべき額の合計額が労働省令で定める算定方法に従い当該年金給付に係る前払一時金給付の最高限 度額(当該前払一時金給付の支給を受けたことがある者にあつては、当該支給を受けた額を控除した額とする。)に相当する額に達するまでの間についての年金 給付に限る。)
二 障害補償年金差額一時金及び第十六条の六第一項第二号の場合に支給される遺族補償一時金並びに障害年金差額一時金及び第二十二条の四第三項において読み替えて準用する第十六条の六第一項第二号の場合に支給される遺族一時金
三 前払一時金給付

別表第一 (第十四条、第十五条、第十五条の二、第十六条の三、第十八条、第十八条の二、第二十二条の三、第二十二条の四、第二十二条の六関係)

一 同一の事由(障害補償年金及び遺族補償年金については、それぞれ、当該障害又は死亡をいい、傷病補償年 金については、当該負傷又は疾病により障害の状態にあることをいう。以下同じ。)により、障害補償年金若しくは傷病補償年金又は遺族補償年金と厚生年金保 険法の規定による障害厚生年金及び国民年金法の規定による障害基礎年金(同法第三十条の四の規定による障害基礎年金を除く。以下同じ。)又は厚生年金保険 法の規定による遺族厚生年金及び国民年金法の規定による遺族基礎年金若しくは寡婦年金とが支給される場合にあつては、下欄の額に、次のイからハまでに掲げ る年金たる保険給付の区分に応じ、それぞれイからハまでに掲げるところにより算定して得た率を下らない範囲内で政令で定める率を乗じて得た額(その額が政 令で定める額を下回る場合には、当該政令で定める額)

イ 障害補償年金 前々保険(前々年の四月一日から前年の三月三十一日までをいう。以下この号において同じ。)において障害補償年金を受けていた者であつ て、同一の事由により厚生年金保険法の規定による障害厚生年金及び国民年金法の規定による障害基礎年金が支給されていたすべてのものに係る前々保険年度に おける障害補償年金の支給額(これらの者が厚生年金保険法の規定による障害厚生年金及び国民年金法の規定による障害基礎年金を支給されていなかつたとした 場合の障害補償年金の支給額をいう。)の平均額からこれらの者が受けていた前々保険年度における厚生年金保険法の規定による障害厚生年金の支給額と国民年 金法の規定による障害基礎年金の支給額との合計額の平均額に百分の五十を乗じて得た額を減じた額を当該障害補償年金の支給額の平均額で除して得た率

ロ 遺族補償年金 イ中「障害補償年金」とあるのは「遺族補償年金」と、「障害厚生年金」とあるのは「遺族厚生年金」と、「障害基礎年金」とあるのは「遺族基礎年金又は寡婦年金」として、イの規定の例により算定して得た率

ハ 傷病補償年金 イ中「障害補償年金」とあるのは、「傷病補償年金」として、イの規定の例により算定して得た率

二 同一の事由により、障害補償年金若しくは傷病補償年金又は遺族補償年金と厚生年金保険法の規定による障害厚生年金又は遺族厚生年金とが支給される場合 (第一号に規定する場合を除く。)にあつては、下欄の額に、年金たる保険給付の区分に応じ、前号の政令で定める率に準じて政令で定める率を乗じて得た額 (その額が政令で定める額を下回る場合には、当該政令で定める額)

三 同一の事由により、障害補償年金若しくは傷病補償年金又は遺族補償年金と国民年金法の規定による障害基礎年金又は遺族基礎年金若しくは寡婦年金とが支 給される場合(第一号に規定する場合及び当該同一の事由により国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員等共済組合法(昭和三十 七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)又は農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)の規定 による障害共済年金又は遺族共済年金が支給される場合を除く。)にあつては、下欄の額に、年金たる保険給付の区分に応じ、第一号の政令で定める率に準じて 政令で定める率を乗じて得た額(その額が政令で定める額を下回る場合には、当該政令で定める額)

四 前三号の場合以外の場合にあつては、下欄の額

区分
障害補償年金 一 障害等級第一級に該当する障害がある者給付基礎日額の三一三日分
二 障害等級第二級に該当する障害がある者 給付基礎日額の二七七日分
三 障害等級第三級に該当する障害がある者 給付基礎日額の二四五日分
四 障害等級第四級に該当する障害がある者 給付基礎日額の二一三日分
五 障害等級第五級に該当する障害がある者給付基礎日額の一八四日分
六 障害等級第六級に該当する障害がある者 給付基礎日額の一五六日分
七 障害等級第七級に該当する障害がある者給付基礎日額の一三一日分
遺族補償年金 次の各号に掲げる遺族補償年金を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族の人数の区分に応じ、当該各号に掲げる額
一 一人 給付基礎日額の一五三日分。ただし、五十五歳以上の妻又は厚生労働省令で定める障害の状態にある妻にあつては、給付基礎日額の一七五日分とする。
二 二人 給付基礎日額の二〇一日分
三 三人 給付基礎日額の二二三日分
四 四人以上 給付基礎日額の二四五日分
傷病補償年金 一 傷病等級第一級に該当する障害の状態にある者 給付基礎日額の三一三日分
二 傷病等級第二級に該当する障害の状態にある者 給付基礎日額の二七七日分
三 傷病等級第三級に該当する障害の状態にある者 給付基礎日額の二四五日分

別表第二 (第十五条、第十五条の二、第十六条の八、第二十二条の三、第二十二条の四関係)

区分
障害補償一時金 一 障害等級第八級に該当する障害がある者  給付基礎日額の五〇三日分
二 障害等級第九級に該当する障害がある者 給付基礎日額の三九一日分
三 障害等級第一〇級に該当する障害がある者 給付基礎日額の三〇二日分
四 障害等級第一一級に該当する障害がある者 給付基礎日額の二二三日分
五 障害等級第一二級に該当する障害がある者 給付基礎日額の一五六日分
六 障害等級第一三級に該当する障害がある者  給付基礎日額の一〇一日分
七 障害等級第一四級に該当する障害がある者 給付基礎日額の五六日分
遺族補償一時金 一 第十六条の六第一項第一号の場合     給付基礎日額の一、〇〇〇日分
二 第十六条の六第一項第二号の場合     給付基礎日額の一、〇〇〇日分から第十六条の六第一項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額を控除した額

2011/11/07