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なくせ長時間労働!残業・過労死110番 弁護士 有馬純也(民主法律時報378号・2003年11月)

弁護士 有馬純也

  11月22日(土)午前10時から午後3時まで、「なくせ長時間労働!残業・過労死110番(~自分だけは大丈夫!と思いこんでいませんか~)」が、民主法律協会・過労死弁護団全国連絡会・日本労働弁護団・大阪過労死問題連絡会・労働基準オンブズマン・大阪過労死を考える家族の会との共催で行われました。
  民法協に7台の電話機を準備して電話による相談を受け付けましたが、午前10時になったとたんに、電話がひっきりなしに鳴り続けていました。特に、お昼の全国版ニュースで放映されたためか、12時近くにも多数の電話が殺到しました。ほとんど、準備した7台が常時つながっている状態で、そのことだけでも労働者の悲痛な思いが伝わってきました。結局、合計で100件の電話相談が寄せられました。
  相談内容としては、長時間労働と残業代の未払いについての相談が最も多く、過労死に関する問題も多数寄せられました。特に、運送業と営業職の長時間労働が目立ちました。労働者本人からの相談も多数ありましたが、親族からの相談が多かったです。
  具体的な相談内容を簡単に報告します。深夜12時近くまでの長時間労働が常態化している会社が多かったです。一流企業にもかかわらずタイムカードすらなく、しかもその理由が、タイムカードを押して勤務時間を正確に記録してしまうと労働基準法違反になるから、というあきれた会社もありました。残業代も10時間から20時間で打ち切られるケースが多かったです。会社がリストラを行ったため、リストラされた人の分の仕事が、会社に残った人にしわ寄せが来ることになり、早朝から深夜まで働かざるを得ない、という方もいました。
  リストラについては、首を切られる側の問題だけでなく、会社に残る側への負担も問題にしていく必要性を感じました。会社に組合はあるものの、会社の御用組合になっており何も助けてくれない、という話も多かったです。また、今にも息子が過労死しそうです、という母親からの悲痛な叫びもありました。職場で嫌がらせを受け、しかも突然退職を勧告されたことから自殺してしまった方の家族もいらっしゃいました。長時間労働の問題は、残業代の未払い問題のみならず、過労死にも直結するものであることを実感しました。
  なお、今回の110番で継続相談を希望された方には、11月27日(木)、大阪弁護士会にて個別相談会が行われました。
(民主法律時報378号・2003年11月)

2003/11/01