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労働基準オンブズマン学習会に参加して 大阪青年司法書士会会員 大久保貴史(民主法律時報372号・2003年5月)

大阪青年司法書士会会員  大久保貴史

 私は、平成13年度の司法書士試験に合格し、平成14年の2月に司法書士登録をして個人事務所を開設致しました。ですから、まだ開業して1年余りというわけでございます。司法書士が取り扱うことができる業務には、「裁判所に提出する書類の作成」というものが以前からありましたが、近年までは、多くの司法書士にとって仕事の中心は登記業務であり、一部の司法書士を除いては、あまり裁判関係の仕事には携っていなかったのが実情でありました。しかしながら、近年は、多重債務者が激増している社会情勢の中で、クレ・サラ問題に積極的に関わる司法書士が増加し、また、その他の裁判関係の仕事に携る司法書士も増加してきており、私自身も、少しずつではありますが裁判関係の仕事に携ってきております。
 このような状況の中で、4月9日に行われました「労働基準オンブズマン学習会」に参加したわけですが、この学習会のテーマである労働問題については、ほとんど予備知識も無いままに参加いたしました。そもそもこの問題に興味を抱いたのは、私が所属している大阪青年司法書士会が、今年度の研修事業の中心テーマとして取り組み始めたことからですが、それに加えて、労働問題というのは、社会問題であると同時に、自分自身も日々仕事をしている一個人であり、さらに、今は一人で事務所を開設しておりますが、いずれは職員を雇用する可能性も十分にあるわけですので、個人の問題としても非常に身近なテーマであるということがありました。
 学習会の中では、未払い賃金の請求の話やサービス残業問題、そして過労死問題等についての説明を受けました。そして、これらの労働問題というのは、最近増加している敷金返還請求等をはじめとした賃貸借に関する問題と並んで、一般の生活者が法的な問題にかかわる可能性が非常に高い分野なのだという説明を受け、確かにその通りかもしれないと納得いたしました。それと同時に、問題がなかなか表面化しにくい性質も持っているように感じました。どうしても雇用されている側としては、退職後ならともかく就業中においてはなかなか問題提起をしていくのは難しいように思います。特に最近の雇用情勢からすれば、たとえ大きな不満を抱えていたとしても、なかなか表に出していくのは難しいのが現状なのでしょう。
 今回初めて学習会に参加していろいろと学ばせていただきましたが、まだまだこれらの問題について理解を深めたとは言い難く、今後もこの学習会に参加したり、青年会での労働研修等に取り組んでいく中で、理解を深めていきたいと思っております。
(民主法律時報372号・2003年5月)

2003/05/01