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【オーストラリア】豪州でも深刻 サービス残業 労働者の2割が週50時間以上労働 労組評議会 時短と残業代支払い要求(「しんぶん赤旗」2004/11/8付)

 超過勤務をするオーストラリアの労働者の約半分に残業代が支払われていない─同国南部にあるアデレード大学のバーバラ・ポコック準教授は一日、オーストラリアの労働者の二割が週五十時間以上の長時間労働を強いられているとの国際労働機関(ILO)の最近の報告を受け、広がるサービス残業の実態を告発しました。
 ILOの報告は、先進国の労働者のうち週五十時間以上働く人の比率がオーストラリア、米国、ニュージーランド、日本で20%を超えていることを明らかにしています。これを西欧諸国と比べると、英国(15・5%)を除き、西欧では10%以下となっており、労働時間に歴然とした差があります。
 労働問題を研究するポコック準教授は現地メディアとのインタビューで、残業を拒否したことで解雇されることを恐れて超過勤務をする労働者が増えていると指摘。労働市場の規制緩和、労使紛争処理のための調停仲裁制度の弱体化、労働時間に関する法律と超過勤務時間の上限を定める規制の欠如に原因があると説明しています。
 残業代の未払いについて、「すべての職種で、特に正社員のなかで見受けられる。ホワイトカラー労働者に集中しているが、影響は低賃金の労働者にも及んでいる」と強調しました。
 オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、労働者の長時間労働と残業代の未払い問題の解決に重点を置いた運動を進めています。昨年八月の総会では、賃金の出来高払い制、人員削減による慢性的な労働強化、残業代の未払いなどが横行していることが報告されました。ACTUは労使交渉で残業代の支払い、残業を拒否する権利、残業を含む週四十八時間労働を上限とすることなどを経営者側に要求するよう各労働組合に呼びかけました。中村美弥子記者
(「しんぶん赤旗」2004/11/8付)

※長時間労働を批判するACTUのホームページはこちら

2004/11/08