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地方公務員災害補償法

(昭和四十二年八月一日法律第百二十一号)

最終改正:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号

 第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 基金(第三条―第二十三条)
第三章 補償及び福祉事業(第二十四条―第四十八条)
第四章 費用の負担(第四十九条・第五十条)
第五章 不服申立て及び訴訟(第五十一条―第五十六条)
第六章 雑則(第五十七条―第六十八条)
第七章 非常勤の地方公務員(第六十九条―第七十一条)
第八章 罰則(第七十二条―第七十四条)
附則

第一章 総則

(この法律の目的)
第一条  この法律は、地方公務員の公務上の災害(負傷、疾病、障害又は死亡をいう。以下同じ。)又は通勤による災害に対する補償(以下「補償」という。)の迅速かつ公正な実施を確保するため、地方公共団体に代わつて補償を行なう基金の制度を設け、その行なう事業に関して必要な事項を定めるとともに、その他地方公務員の補償に関して必要な事項を定め、もつて地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「職員」とは、常時勤務に服することを要する地方公務員(常時勤務に服することを要しない地方公務員のうちその勤務形態が常時勤務に服することを要する地方公務員に準ずる者で政令で定めるものを含む。)をいう。
2  この法律で「通勤」とは、職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、公務の性質を有するものを除くものとする。
3  職員が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、同項の通勤としない。た だし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて総務省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱 又は中断の間を除き、この限りでない。
4  この法律で「平均給与額」とは、負傷若しくは死亡の原因である事故の発生の日又は診断によつて疾病の発生が確定した日(第七項において「災害発生の日」 という。)の属する月の前月の末日から起算して過去三月間(その期間内に職員となつた者については、その職員となつた日までの間)にその職員に対して支払 われた給与の総額を、その期間の総日数で除して得た金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した額を下らないものとする。
一  給与の全部が、勤務した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制によつて定められた場合には、その期間中に支払われた給与の総額をその勤務した日数で除して得た金額の百分の六十
二  給与の一部が、勤務した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制によつて定められた場合には、その部分の給与の総額について前号の方法により計算した金額と、その他の部分の給与の総額をその期間の総日数で除して得た金額との合算額
5  前項の給与は、給料、管理職手当、初任給調整手当扶養手当調整手当住居手当通勤手当単身赴任手当特殊勤務手当 、特地勤務手当(これに準ずる手当を含む。)、へき地手当(これに準ずる手当を含む。)、農林漁業改良普及手当、時間外勤務手当、休日勤務手当、夜間勤務手当、宿日直手当管理職員特別勤務手当義務教育等教員特別手当 、定時制通信教育手当、産業教育手当及び総務省令で定める手当(第一項の政令で定める者にあつては、これらの給与に相当する給与)とする。
6  第四項に規定する期間中に、次の各号の一に該当する日がある場合には、その日数及びその間の給与は、同項の期間及び給与の総額から控除して計算する。ただし、控除しないで計算した平均給与額が控除して計算した平均給与額より多い場合は、この限りでない。
一  負傷し、又は疾病にかかり、療養のために勤務することができなかつた日
二  産前産後の職員が、出産の予定日の六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)前から出産後八週間以内において勤務しなかつた日
三  育児休業の承認を受けて勤務しなかつた日及び部分休業の承認を受けて育児のため一日の勤務時間の一部について勤務しなかつた日
四  介護のために承認を受けて勤務しなかつた日
五  地方公共団体の責めに帰すべき事由によつて勤務することができなかつた日
六  職員団体の業務に専ら従事するための許可を受けて勤務しなかつた日
7  前三項の規定により平均給与額を計算することができない場合及び災害発生の日から補償を支給すべき事由が生じた日までの間に職員の給与の改定が行われた 場合その他の前三項の規定によつて計算した平均給与額が公正を欠くと認められる場合における平均給与額の計算については、総務省令で定める。
8  第四項から前項までの規定によつて計算した平均給与額に一円未満の端数を生じたときは、これを一円に切り上げた額を平均給与額とする。
9  傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「年金たる補償」という。)で、その年金たる補償を支給すべき事由が生じた日の属する年度(四月一日 から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の翌々年度以後の期間に係る分として支給するものの額の算定の基礎として用いる平均給与額は、第四項から前 項までの規定により平均給与額として計算した額に、当該年金たる補償を支給すべき月の属する年度の前年度の四月一日における国家公務員災害補償法 (昭和二十六年法律第百九十一号)に規定する職員(以下この項及び第三十六条第二項において「国の職員」という。)の給与水準を当該年金たる補償を支給す べき事由が生じた日の属する年度の四月一日における国の職員の給与水準で除して得た率を基準として総務大臣が定める率を乗じて得た額とする。
10  第八項の規定は、前項の平均給与額について準用する。
11  年金たる補償について第四項から前項までの規定により平均給与額として計算した額が、年金たる補償を受けるべき職員の当該年金たる補償を支給すべき月の 属する年度の四月一日(以下この項において「基準日」という。)における年齢(遺族補償年金を支給すべき場合にあつては、当該支給をすべき事由に係る職員 の死亡がなかつたものとして計算した場合に得られる当該職員の基準日における年齢)に応じて総務大臣が最低限度額として定める額に満たないとき又は最高限 度額として定める額を超えるときは、それぞれその定める額を当該年金たる補償に係る平均給与額とする。
12  前項の総務大臣が定める額は、総務省令で定めるところにより、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)第八条の三第二項 において準用する同法第八条の二第二項 各号の規定により厚生労働大臣が年齢階層ごとに定める額を考慮して定めるものとする。
13  休業補償を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償に係る療養の開始後一年六月を経過した日以後の日である場合において、休業補償について第四項から第 八項までの規定により平均給与額として計算した額が、休業補償を受けるべき職員の当該休業補償を支給すべき事由が生じた日の属する年度の四月一日における 年齢に応じて総務大臣が最低限度額として定める額に満たないとき又は最高限度額として定める額を超えるときは、それぞれその定める額を当該休業補償に係る 平均給与額とする。
14  前項の総務大臣が定める額は、総務省令で定めるところにより、労働者災害補償保険法第八条の二第二項 各号の規定により厚生労働大臣が年齢階層ごとに定める額を考慮して定めるものとする。

第二章 基金

(設置)
第三条  職員についてこの法律(第七章を除く。)に定める補償を実施し、並びに公務上の災害又は通勤による災害を受けた職員(以下この項及び第四十七条において「被災職員」という。)の社会復帰の促進、被災職員及びその遺族の援護、公務上の災害の防止に関する活動に対する援助その他の職員及びその遺族の福祉に必要な事業を行うため、地方公務員災害補償基金(以下「基金」という。)を設置する。
2  基金は、法人とする。

(事務所)
第四条  基金は、主たる事務所を東京都に、従たる事務所を都道府県及び地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(第六十六条において「指定都市」という。)ごとに置く。

(定款)
第五条  基金は、定款をもつて、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  目的
二  名称
三  事務所の所在地
四  資産に関する事項
五  運営審議会に関する事項
六  役員に関する事項
七  業務及びその執行に関する事項
八  負担金に関する事項
九  会計に関する事項
十  公告の方法
2  定款の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

(登記)
第六条  基金は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2  前項の規定により登記を必要とする事項は、登記後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

民法 の準用)
第七条  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第四十四条 及び第五十条 の規定は、基金について準用する。

(役員)
第八条  基金に、役員として理事長、理事若干人及び監事一人を置く。

(役員の職務及び権限)
第九条  理事長は、基金を代表し、その業務を総理する。
2  理事は、理事長を補佐して基金の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。
3  監事は、基金の業務を監査する。
4  監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は総務大臣に意見を提出することができる。

(役員の任命及び任期)
第十条  理事長及び監事は、総務大臣が任命する。
2  理事は、理事長が総務大臣の認可を受けて任命する。
3  理事長の任期は、三年とし、理事及び監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
4  役員は、再任されることができる。

(運営審議会)
第十一条  基金に運営審議会を置く。
2  運営審議会は、委員十二人以内で組織する。
3  委員は、都道府県知事を代表する者、市長を代表する者、町村長を代表する者、都道府県教育委員会を代表する者、都道府県公安委員会を代表する者、地方公営企業の管理者を代表する者及び学識経験を有する者について、総務大臣が任命する。
4  次に掲げる事項は、運営審議会の議を経なければならない。
一  定款の変更
二  業務規程の作成及び変更
三  毎事業年度の事業計画及び予算並びに決算
四  重要な財産の処分及び重大な債務の負担
5  運営審議会は、前項に定めるもののほか、理事長の諮問に応じて基金の業務に関する重要事項を調査審議し、又は必要と認める事項につき理事長に建議することができる。

(業務規程)
第十二条  基金は、その業務を執行するために必要な事項で総務省令で定めるものについて、業務規程を定めるものとする。
2  基金は、業務規程を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを総務大臣に報告しなければならない。

(地方公共団体の便宜の供与)
第十三条  地方公共団体の機関は、基金の運営に必要な範囲内において、その所属の職員その他地方公共団体に使用される者をして基金の業務に従事させることができる。
2  地方公共団体の機関は、基金の運営に必要な範囲内において、その管理に係る土地、建物その他の施設を無償で基金の利用に供することができる。

(国の配慮)
第十四条  国は、基金の健全な運営が図られるように、適切と認める技術的援助をする等必要な配慮を加えるものとする。

(基金の役員及び事務職員の公務員たる性質)
第十五条  基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(事業年度)
第十六条  基金の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

(事業計画及び予算)
第十七条  基金は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成して、総務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。事業計画及び予算に総務省令で定める重要な変更を加えようとするときも、同様とする。

(決算)
第十八条  基金は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
2  基金は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、監事の意見をつけて総務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
3  基金は、前項の承認を受けたときは、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書を公告しなければならない。

(借入金の制限)
第十九条  基金は、借入金をしてはならない。ただし、基金の目的を達成するため必要な場合において、総務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

(総務大臣の権限)
第二十条  総務大臣は、基金の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、基金に対して、業務若しくは財産の状況に関して報告をさせ、又はその所属職員をして業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  前項の職員は、同項の規定により検査を行なう場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

第二十一条  総務大臣は、基金の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、定款の変更その他監督上必要な命令をすることができる。

第二十二条  総務大臣は、基金の役員が法令若しくは定款又は前条の規定による命令に違反したときは、これを解任することができる。

(総務省令への委任)
第二十三条  この章に定めるもののほか、基金の会計及び資産の運用その他財務に関し必要な事項は、総務省令で定める。

第三章 補償及び福祉事業

(補償の実施)
第二十四条  基金は、この章に規定する補償の事由が生じた場合に、この法律に定めるところにより、補償を受けるべき職員若しくは遺族又は葬祭を行う者に対し、補償を行う。
2  基金は、定款の定めるところにより、従たる事務所の長に補償を行なわせることができる。

(補償の種類等)
第二十五条  基金の行う補償の種類は、次に掲げるものとする。
一  療養補償
二  休業補償
三  傷病補償年金
四  障害補償
イ 障害補償年金
ロ 障害補償一時金
五  介護補償
六  遺族補償
イ 遺族補償年金
ロ 遺族補償一時金
七  葬祭補償

2  前項各号(第三号を除く。)に掲げる補償は、当該補償を受けるべき職員若しくは遺族又は葬祭を行う者の請求に基づいて行う。

(療養補償)
第二十六条  職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかつた場合においては、療養補償として、必要な療養を行ない、又は必要な療養の費用を支給する。

第二十七条  前条の規定による療養の範囲は、次に掲げるものであつて、療養上相当と認められるものとする。
一  診察
二  薬剤又は治療材料の支給
三  処置、手術その他の治療
四  居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六  移送

(休業補償)
第二十八条   職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかり、療養のため勤務することができない場合において、給与を受けな いときは、休業補償として、その勤務することができない期間につき、平均給与額の百分の六十に相当する金額を支給する。ただし、次に掲げる場合(総務省令 で定める場合に限る。)には、その拘禁され、又は収容されている期間については、休業補償は、行わない。
一  監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合
二  少年院その他これに準ずる施設に収容されている場合

(傷病補償年金)
第二十八条の二   職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかり、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後一年六箇月を経過した日に おいて次の各号のいずれにも該当する場合又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなつた場合には、その状態が継続している期間、傷病補償年金を支給 する。
一  当該負傷又は疾病が治つていないこと。
二  当該負傷又は疾病による障害の程度が、別表に定める第一級から第三級までの各等級に相当するものとして総務省令で定める第一級、第二級又は第三級の傷病等級に該当すること。
2  傷病補償年金の額は、当該負傷又は疾病による障害の程度が次の各号に掲げる傷病等級(前項第二号の傷病等級をいう。第四項において同じ。)のいずれに該当するかに応じ、一年につき当該各号に定める額とする。
一  第一級 平均給与額に三百十三を乗じて得た額
二  第二級 平均給与額に二百七十七を乗じて得た額
三  第三級 平均給与額に二百四十五を乗じて得た額
3  傷病補償年金を受ける者には、休業補償は、行わない。
4  傷病補償年金を受ける者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに第二項各号に掲げる他の傷病等級に該当するに至つた場合には、新たに該当するに至つた傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給するものとし、その後は、従前の傷病補償年金は、支給しない。

◆地方公務員災害補償法施行規則
(傷病等級)
第二十六条の四  法第二十八条の二第一項第二号 に規定する総務省令で定める傷病等級は、別表第一のとおりとする。

別表第一 (第二十六条の四関係)

傷病等級 障害の状態
第一級 一 両眼が失明しているもの
二 咀嚼及び言語の機能を廃しているもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
五 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
六 両上肢の用を全廃しているもの
七 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
八 両下肢の用を全廃しているもの
九 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
第二級 一 両眼の視力が〇・〇二以下になつているもの
二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
四 両上肢を腕関節以上で失つたもの
五 両下肢を足関節以上で失つたもの
六 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
第三級 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつているもの
二 咀嚼又は言語の機能を廃しているもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
六 第三号及び第四号に定めるもののほか、常に労務に服することができないものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの

労働基準法第十九条第一項 の適用の特例)
第二十八条の三  公務上負傷し、又は疾病にかかつた職員が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後三年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなつた場合には、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第十九条第一項 の規定の適用については、当該三年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなつた日において、同項 に規定する休業する期間及びその後三十日の期間は、経過したものとみなす。

(障害補償)
第二十九条   職員が公務上負傷し、若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病にかかり、なおつたとき別表に定める程度の障害が存する場合においては、 同表に定める第一級から第七級までの等級に該当する障害がある場合には、障害補償年金として、当該障害が存する期間、同表に定める障害の等級に応じ、一年 につき平均給与額に同表に定める日数を乗じて得た金額を毎年支給し、同表に定める第八級から第十四級までの等級に該当する障害がある場合には、障害補償一 時金として、同表に定める障害の等級に応じ、平均給与額に同表に定める日数を乗じて得た金額を支給する。
2  別表に定める程度の障害が二以上ある場合の障害の等級は、重い障害に応ずる等級による。
3  次に掲げる場合の障害の等級は、次の各号のうち職員に最も有利なものによる。
一  第十三級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の一級上位の等級
二  第八級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の二級上位の等級
三  第五級以上に該当する障害が二以上ある場合には、前項の規定による等級の三級上位の等級
4  前項第一号の規定による等級による障害補償の金額は、それぞれの障害に応ずる等級による障害補償の金額を合算した金額を超えないものとする。ただし、同号の規定による等級が第七級以上になる場合は、この限りでない。
5  別表に定める各等級の障害に該当しない障害であつて、同表に定める各等級の障害に相当するものは、同表に定める当該等級の障害とする。
6  障害のある者が、公務上の負傷若しくは疾病又は通勤による負傷若しくは疾病によつて同一部位について障害の程度を加重した場合には、総務省令で定めるところにより、その障害補償の金額から、従前の障害に応ずる障害補償の金額を差し引いた金額の障害補償を行う。
7  障害補償年金を受ける者の当該障害の程度に変更があつたため、新たに別表中の他の等級に該当するに至つた場合には、新たに該当するに至つた等級に応ずる障害補償を行うものとし、その後は、従前の障害補償は、行わない。

(休業補償等の制限)
第三十条   職員が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、公務上の負傷若しくは疾病若しくは通勤に よる負傷若しくは疾病若しくはこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は公務上の負傷、疾病若しくは障害若しくは通勤による負傷、疾病若しくは障害の程度 を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、その者に係る休業補償、傷病補償年金又は障害補償については、総務省令で定めるところにより、その全部又は 一部の支給を行わないことができる。

(介護補償)
第三十条の二   傷病補償年金又は障害補償年金を受ける権利を有する者が、当該傷病補償年金又は障害補償年金を支給すべき事由となつた障害であつて総務省令で定める程度の ものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けている場合においては、介護補償として、当該介護を受けている期間、常時 又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して総務大臣が定める金額を支給する。ただし、次に掲げる場合には、その入院し、又は入所している期間に ついては、介護補償は、行わない。
一  病院又は診療所に入院している場合
二  身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)第三十条 に規定する身体障害者療護施設その他これに準ずる施設として総務大臣が定めるものに入所している場合
2  介護補償は、月を単位として支給するものとする。

(介護補償に係る障害)
第二十八条の二  法第三十条の二第一項 の総務省令で定める障害は、介護を要する状態の区分に応じ、別表第二に定める障害とする。

別表第二 (第二十八条の二関係)

介護を要する状態の区分 障害
常時介護を要する状態 一 別表第一第一級の項第三号に該当する障害又は法別表第一級の項第三号に該当する障害
二 別表第一第一級の項第四号に該当する障害又は法別表第一級の項第四号に該当する障害
三 前二号に掲げるもののほか、別表第一に定める第一級に該当する障害であつて前二号に掲げるものと同程度の介護を要するもの又は法別表に定める第一級に該当する障害であつて前二号に掲げるものと同程度の介護を要するもの
随時介護を要する状態 一 別表第一第二級の項第二号に該当する障害又は法別表第二級の項第三号に該当する障害
二 別表第一第二級の項第三号に該当する障害又は法別表第二級の項第四号に該当する障害
三 別表第一に定める第一級に該当する障害であつて前二号に掲げるものと同程度の介護を要するもの又は法別表に定める第一級に該当する障害であつて前二号に掲げるものと同程度の介護を要するもの

(遺族補償)
第三十一条  職員が公務上死亡し、又は通勤により死亡した場合においては、遺族補償として、職員の遺族に対して、遺族補償年金又は遺族補償一時金を支給する。

(遺族補償年金)
第三十二条   遺族補償年金を受けることができる遺族は、職員の配偶者(婚姻の届出をしていないが、職員の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下 同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、職員の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしてい ないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。次条において同じ。)以外の者にあつては、職員の死亡の当時次に掲げる要件に該当した場合に限るも のとする。
一  夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下同じ。)、父母又は祖父母については、六十歳以上であること。
二  子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること。
三  兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること又は六十歳以上であること。
四  前三号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、総務省令で定める障害の状態にあること。
2  職員の死亡の当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、職員の死亡の当時その収入によつて生計を維持していた子とみなす。
3  遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

第三十三条  遺族補償年金の額は、次の各号に掲げる人数(遺族補償年金を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族の人数をいう。)の区分に応じ、一年につき当該各号に定める額とする。
一  一人 平均給与額に百五十三を乗じて得た額(五十五歳以上の妻又は総務省令で定める障害の状態にある妻である場合には、平均給与額に百七十五を乗じて得た額)
二  二人 平均給与額に二百一を乗じて得た額
三  三人 平均給与額に二百二十三を乗じて得た額
四  四人以上 平均給与額に二百四十五を乗じて得た額
2  遺族補償年金を受ける権利を有する者が二人以上あるときは、遺族補償年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する額をその人数で除して得た額とする。
3  遺族補償年金の額の算定の基礎となる遺族の数に増減を生じたときは、その増減を生じた月の翌月から、遺族補償年金の額を改定する。
4  遺族補償年金を受ける権利を有する妻にその者と生計を同じくしている他の遺族で遺族補償年金を受けることができるものがない場合において、その妻が次の各号の一に該当するに至つたときは、その該当するに至つた月の翌月から遺族補償年金の額を改定する。
一  五十五歳に達したとき(第一項第一号の総務省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
二  第一項第一号の総務省令で定める障害の状態になり、又はその事情がなくなつたとき(五十五歳以上であるときを除く。)。

第三十四条  遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至つたときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
一  死亡したとき。
二  婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
三  直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
四  離縁によつて、死亡した職員との親族関係が終了したとき。
五  子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき(職員の死亡の時から引き続き第三十二条第一項第四号の総務省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
六  第三十二条第一項第四号の総務省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなつたとき(夫、父母又は 祖父母については職員の死亡の当時六十歳以上であつたとき、子又は孫については十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるとき、兄弟姉妹に ついては十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は職員の死亡の当時六十歳以上であつたときを除く。)。
2  遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号の一に該当するに至つたときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。

第三十五条   遺族補償年金を受ける権利を有する者の所在が一年以上明らかでない場合には、当該遺族補償年金は、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは 次順位者の申請によつて、その所在が明らかでない間、その支給を停止する。この場合において、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とする。
2  前項の規定により遺族補償年金の支給を停止された遺族は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
3  第三十三条第三項の規定は、第一項の規定により遺族補償年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合にお いて、同条第三項中「その増減を生じた月」とあるのは、「その支給が停止され、又はその停止が解除された月」と読み替えるものとする。

(遺族補償一時金)
第三十六条  遺族補償一時金は、次に掲げる場合に支給する。
一  職員の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。
二  遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該職員の死亡に関し 既に支給された遺族補償年金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号の場合に該当することとしたときに支給されることとなる遺族補償一時金の額に 満たないとき。
2  前項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額は、次に掲げる額を合算した額とする。
一  前項第二号に規定する権利が消滅した日の属する年度(次号において「権利が消滅した年度」という。)の分として支給された遺族補償年金の額
二  権利が消滅した年度の前年度以前の各年度の分として支給された遺族補償年金の額に権利が消滅した年度の前年度の四月一日における国の職員の給与水準を当 該各年度の前年度の四月一日における国の職員の給与水準で除して得た率を基準として総務大臣が定める率を乗じて得た額の合算額

第三十七条  遺族補償一時金を受けることができる遺族は、職員の死亡の当時において次の各号の一に該当する者とする。
一  配偶者
二  職員の収入によつて生計を維持していた子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
三  前二号に掲げる者以外の者で、主として職員の収入によつて生計を維持していた者
四  第二号に該当しない子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
2  遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位は、前項各号の順序とし、同項第二号及び第四号に掲げる者のうちにあつては、当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。
3  職員が遺言又はその者の属する任命権者に対する予告で、第一項第三号及び第四号に掲げる者のうち特に指定した者がある場合には、その者に、同項第三号及び第四号に掲げる他の者に優先して遺族補償一時金を支給する。

第三十八条  遺族補償一時金の額は、業務上の死亡又は通勤による死亡に係る他の法令による給付との均衡を考慮して政令で定める額(第三十六条第一項第二号の場合にあつては、その額から同号の既に支給された遺族補償年金の額の合計額を控除した額)とする。
2  第三十三条第二項の規定は、遺族補償一時金の額について準用する。

(遺族からの排除)
第三十九条  職員を故意に死亡させた者は、遺族補償を受けることができる遺族としない。
2  職員の死亡前に、当該職員の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償年金を受けることができる遺族としない。
3  職員の死亡前又は遺族補償年金を受けることができる遺族の当該遺族補償年金を受ける権利の消滅前に、当該職員の死亡又は当該権利の消滅によつて遺族補償 一時金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族補償一時金を受けることができる遺族としない。
4  遺族補償年金を受けることができる遺族を故意に死亡させた者は、遺族補償一時金を受けることができる遺族としない。職員の死亡前に当該職員の死亡によつて遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意に死亡させた者も、同様とする。
5  遺族補償年金を受けることができる遺族が、遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の他の遺族を故意に死亡させたときは、その者は、遺族補償 年金を受けることができる遺族でなくなる。この場合において、その者が遺族補償年金を受ける権利を有する者であるときは、その権利は、消滅する。
6  第三十四条第一項後段の規定は、前項後段の場合に準用する。

(年金たる補償の額の端数処理)
第三十九条の二  年金たる補償の額に五十円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数があるときは、これを百円に切り上げるものとする。

(年金たる補償の支給期間等)
第四十条  年金たる補償の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。
2  年金たる補償は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
3  年金たる補償は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる補償は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。

(支払の調整)
第四十一条   年金たる補償の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる補償が支払われたときは、その支払われた年金たる補償 は、その後に支払うべき年金たる補償の内払とみなすことができる。年金たる補償を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌 月以後の分として減額しない額の年金たる補償が支払われた場合における当該年金たる補償の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。
2  同一の公務上の負傷若しくは疾病又は通勤による負傷若しくは疾病(次項において「同一の傷病」という。)に関し、傷病補償年金を受ける権利を有する者が 休業補償又は障害補償を受ける権利を有することとなり、かつ、当該傷病補償年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として 傷病補償年金が支払われたときは、その支払われた傷病補償年金は、当該休業補償又は障害補償の内払とみなす。
3  同一の傷病に関し、休業補償を受けている者が傷病補償年金又は障害補償を受ける権利を有することとなり、かつ、当該休業補償を行わないこととなつた場合 において、その後も休業補償が支払われたときは、その支払われた休業補償は、当該傷病補償年金又は障害補償の内払とみなす。

第四十一条の二   年金たる補償を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金 たる補償の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に 支払うべき補償があるときは、基金は、総務省令で定めるところにより、当該補償の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができ る。

(葬祭補償)
第四十二条  職員が公務上死亡し、又は通勤により死亡した場合においては、葬祭を行なう者に対して、葬祭補償として、通常葬祭に要する費用を考慮して政令で定める金額を支給する。

(死亡の推定)
第四十三条   船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその船舶に乗つていた職員若しくは船舶に乗つていてその船舶の航行中に行方不明となつた職 員の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの職員の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償及び葬祭補償 の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となつた日又は職員が行方不明となつた日に、当該職員は、死亡 したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となつた際現にその航空機に乗つていた職員若しくは航空機に乗つていたその航空機の航行中 に行方不明となつた職員の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの職員の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、 同様とする。

(未支給の補償)
第四十四条   補償を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき補償でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、 子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については、当該遺族補償年金を受けるこ とができる他の遺族)に、これを支給する。
2  前項の規定による補償を受けるべき者の順位は、同項に規定する順序(遺族補償年金については、第三十二条第三項に規定する順序)とする。
3  第一項の規定による補償を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その全額をその一人に支給することができるものとし、この場合において、その一人にした支給は、全員に対してしたものとみなす。

(補償の手続)
第四十五条   基金は、この章の規定による補償(傷病補償年金を除く。以下この項において同じ。)を受けようとする者から補償の請求を受けたときは、その補償の請求の原 因である災害が公務又は通勤により生じたものであるかどうかを速やかに認定し、その結果を当該請求をした者及び当該災害を受けた職員の任命権者に通知しな ければならない。
2  基金は、前項の規定による認定をするに当たつては、災害を受けた職員の任命権者の意見をきかなければならない。
3  基金は、傷病補償年金を支給する旨の決定をしたときは、その旨を傷病補償年金を受けるべき者及び当該傷病補償年金に係る職員の任命権者に通知しなければならない。

(特殊公務に従事する職員の特例)
第四十六条   警察職員、消防職員その他の職務内容の特殊な職員で政令で定めるものが、その生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、犯罪の捜査、 火災の鎮圧その他の政令で定める職務に従事し、そのため公務上の災害を受けた場合における当該災害に係る傷病補償年金、障害補償又は遺族補償については、 第二十八条の二第二項の規定による額、第二十九条第一項の規定による金額、第三十三条第一項の規定による額又は第三十八条第一項の政令で定める額は、それ ぞれ当該額に百分の五十の範囲内で政令で定める率を乗じて得た額を加算した額とする。

(船員である職員等の特例)
第四十六条の二  船員法 (昭和二十二年法律第百号)第一条 に規定する船員である職員又は公務で外国旅行中の職員に係る補償につき特例を設ける必要がある場合においては、政令で特例を定めることができる。ただし、その特例は、この法律の規定の趣旨に適合するものでなければならない。

(福祉事業)
第四十七条  基金は、被災職員及びその遺族の福祉に関して必要な次の事業を行うように努めなければならない。
一  外科後処置に関する事業、補装具に関する事業、リハビリテーションに関する事業その他の被災職員の円滑な社会復帰を促進するために必要な事業
二  被災職員の療養生活の援護、被災職員が受ける介護の援護、その遺族の就学の援護その他の被災職員及びその遺族の援護を図るために必要な資金の支給その他の事業
2  基金は、職員の福祉の増進を図るため、公務上の災害の防止に関する活動に対する援助その他の公務上の災害を防止するために必要な事業を行うように努めなければならない。

(総務省令への委任)
第四十八条  この章に定めるもののほか、基金の行う補償及び前条の事業に関し必要な事項は、総務省令で定める。

第四章 費用の負担

(費用の負担)
第四十九条  基金の業務に要する費用は、地方公共団体(市町村立学校職員給与負担法 (昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 又は第二条 の規定により都道府県がその給与を負担する者については、都道府県。以下同じ。)の負担金その他の収入をもつて充てる。
2  前項の負担金の額は、政令で定める職務の種類による職員の区分に応じ、当該職務の種類ごとの職員に係る給与の総額に、補償に要する費用及び基金の事務に要する費用その他の事情を考慮して政令で定める割合を、それぞれ乗じて得た額の合計額とする。
3  前項の給与の総額とは、給料、報酬、賃金、手当その他名称のいかんを問わず、地方公共団体により支払われる給与(退職手当を除く。)の総額をいうものとする。

第五十条  地方公共団体は、前条の規定により負担すべき金額を、総務省令で定めるところにより、基金に払い込まなければならない。

第五章 不服申立て及び訴訟

(審査請求等)
第五十一条  基金が行う補償に関する決定(次項の決定を除く。)に不服がある者は、地方公務員災害補償基金審査会(以下「審査会」という。)に対して審査請求をすることができる。
2  基金の従たる事務所の長が行う補償に関する決定に不服がある者は、地方公務員災害補償基金支部審査会(以下「支部審査会」という。)に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、さらに審査会に対して再審査請求をすることができる。
3  前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、支部審査会が審査請求を棄却したものとみなして、審査会に対して再審査請求をすることができる。
4  第一項及び第二項の審査請求並びに前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

5  第一項及び第二項の審査請求並びに第二項又は第三項の再審査請求については、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)が適用されるものとする。

(審査会及び支部審査会)
第五十二条  基金の主たる事務所に審査会を、従たる事務所に支部審査会を置く。

(審査会の組織)
第五十三条  審査会は、委員六人をもつて組織する。
2  委員は、学識経験を有する者のうちから基金の理事長が委嘱する。
3  委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4  委員は、再任されることができる。
5  審査会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
6  会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長のあらかじめ指定する委員がその職務を行う。

(合議体)
第五十三条の二  審査会は、委員のうちから審査会が指定する者三人をもつて構成する合議体で、審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件を取り扱う。
2  前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件を取り扱う。
一  前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合
二  前項の合議体を構成する者の意見が分かれたため、その合議体としての意見が定まらない場合
三  前二号に掲げる場合のほか、審査会が定める場合

第五十三条の三  前条第一項又は第二項の合議体を構成する者を審査員とし、うち一人を審査長とする。
2  前条第一項の合議体のうち、会長がその構成に加わるものにあつては、会長が審査長となり、その他のものにあつては、審査会の指定する委員が審査長となる。
3  前条第二項の合議体にあつては、会長が審査長となり、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、第五十三条第六項の規定により会長のあらかじめ指定する委員が審査長となる。

第五十三条の四  第五十三条の二第一項の合議体は、これを構成するすべての審査員の、同条第二項の合議体は、四人以上の審査員の出席がなければ、会議を開き、及び議決することができない。
2  第五十三条の二第一項の合議体の議事は、その合議体を構成する審査員の過半数をもつて決する。
3  第五十三条の二第二項の合議体の議事は、出席した審査員のうちの三人以上の者の賛成をもつて決し、可否それぞれ三人のときは、審査長の決するところによる。

(委員会議)
第五十四条  審査会の会務の処理(審査会に対してされた審査請求及び再審査請求の事件の取扱いを除く。)は、委員の全員の会議(次項及び第三項において「委員会議」という。)の議決によるものとする。
2  委員会議は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、及び議決することができない。
3  委員会議の議事は、出席委員の過半数で決するものとし、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(支部審査会の組織及び運営)
第五十五条  支部審査会は、委員三人をもつて組織する。
2  委員は、学識経験を有する者のうちから従たる事務所の長が委嘱する。
3  第五十三条第三項から第六項まで並びに前条第二項及び第三項の規定は、支部審査会の組織及び運営について準用する。この場合において、前条第二項及び第三項中「委員会議」とあるのは「支部審査会」と読み替えるものとする。

(不服申立ての前置)
第五十六条  第五十一条第一項又は第二項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求又は再審査請求に対する審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
一  第五十一条第一項に規定する審査請求又は同条第二項若しくは第三項に規定する再審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しても裁決がないとき。

二  第五十一条第一項に規定する審査請求又は同条第二項若しくは第三項に規定する再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

第六章 雑則

(年金たる補償の額の改定)
第五十七条  基金の行う年金たる補償の額については、国民の生活水準、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、速やかに改定の措置を講ずるものとする。

(損害賠償との調整等)
第五十八条  地方公共団体が国家賠償法 (昭和二十二年法律第百二十五号)、民法 その他の法律による損害賠償の責めに任ずる場合において、基金がこの法律による補償を行なつたときは、同一の事由については、地方公共団体は、その価額の限度においてその損害賠償の責めを免れる。
2  前項の場合において、補償を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法民法 その他の法律による損害賠償を受けたときは、基金は、その価額の限度において補償の義務を免れる。

第五十九条  基金は、補償の原因である災害が第三者の行為によつて生じた場合に補償を行なつたときは、その価額の限度において、補償を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2  前項の場合において、補償を受けるべき者が当該第三者から同一の事由につき損害賠償を受けたときは、基金は、その価額の限度において補償の義務を免れる。

(報告、出頭等)
第六十条   基金又は審査会若しくは支部審査会は、補償の実施又は審査のため必要があると認めるときは、基金から補償を受け若しくは受けようとする者又はその他の関係 人に対して報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、又は医師の診断若しくは検案を受けさせることができる。
2  前項の規定により出頭した者は、総務省令で定めるところにより、旅費を受けることができる。

(一時差止め)
第六十一条  基金から補償を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、前条第一項の規定による報告をせず、文書その他の物件を提出せず、出頭をせず、又は医師の診断を拒んだときは、基金は、補償の支払を一時差し止めることができる。

(補償を受ける権利)
第六十二条  職員が離職した場合においても、補償を受ける権利は、影響を受けない。
2  補償を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることはできない。ただし、年金たる補償を受ける権利を国民生活金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。

(時効)
第六十三条  補償を受ける権利は、二年間(障害補償及び遺族補償については、五年間)行なわないときは、時効によつて消滅する。

(期間の計算)
第六十四条  この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、民法 の期間の計算に関する規定を準用する。

(非課税等)
第六十五条  この法律又はこの法律に基づく条例により支給を受けた金品を標準として、租税その他の公課を課してはならない。

(戸籍に関する無料証明)
第六十六条   市町村長(特別区の区長を含むものとし、指定都市にあつては、区長とする。)は、基金又はこの法律若しくはこの法律に基づく条例による補償を受けようとす る者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、補償を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができ る。

(通勤による災害に係る一部負担金)
第六十六条の二  通勤による負傷又は疾病に係る療養補償を受ける職員(総務省令で定める職員を除く。)は、一部負担金として、二百円をこえない範囲内で総務省令で定める金額を基金に払い込まなければならない。
2  基金は、前項の一部負担金に充てるため、同項の職員に支払うべき補償の額から当該一部負担金の額に相当する金額を控除することができる。
3  職員の給与支給機関は、第一項の職員に支給すべき補償がない場合において当該職員に支給すべき給与があるときは、当該職員の給与から同項の一部負担金の額に相当する金額を控除して、これを当該職員に代わつて基金に払い込むことができる。

(他の法律の適用除外)
第六十七条  労働基準法第八章 及び船員法第十章 の規定は、職員のうち地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第三項 に規定する特別職 に属する地方公務員に関して適用しない。
2  労働者災害補償保険法 の規定は、職員に関して適用しない。

地方公務員法 との関係)
第六十八条  この法律の規定により地方公務員の補償を行なう基金の制度は、地方公務員法第三条第二項 に規定する一般職に属する職員については、同法第四十五条第四項 に規定する制度とする。

第七章 非常勤の地方公務員

(非常勤の地方公務員に係る補償の制度)
第六十九条  地方公共団体は、条例で、職員以外の地方公務員のうち法律(労働基準法 を除く。)による公務上の災害又は通勤による災害に対する補償の制度が定められていないものに対する補償の制度を定めなければならない。
2  前項の条例で定める補償の制度は、この法律及び労働者災害補償保険法 で定める補償の制度と均衡を失したものであつてはならない。

(不服申立て等)
第七十条  前条第一項の規定に基づく条例による補償の実施に関して不服がある者は、当該地方公共団体の条例の定めるところにより、審査を申し立てることができる。
2  前項の規定による審査の申立ては、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。

(職員に関する規定の準用)
第七十一条   第五十八条、第五十九条、第六十二条及び第六十三条の規定は、第六十九条第一項の規定に基づく条例による補償について準用する。この場合において、第五十 八条及び第五十九条中「基金」とあるのは「地方公共団体」と、第六十二条第一項中「職員」とあるのは「第六十九条第一項に規定する者」と、同条第二項ただ し書中「年金たる補償」とあるのは「年金たる補償に相当する補償」と、第六十三条中「障害補償及び遺族補償」とあるのは「障害補償及び遺族補償に相当する 補償」と読み替えるものとする。

第八章 罰則

(罰則)
第七十二条  第二十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした基金の役員又は基金に使用され、その事務に従事する者は、二十万円以下の罰金に処する。

第七十三条  第六十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、文書その他の物件を提出せず、出頭をせず、又は医師の診断を拒んだ者は、十万円以下の罰金に処する。

第七十四条  この法律又はこの法律に基づく政令の規定に違反して登記することを怠つた基金の役員は、二十万円以下の過料に処する。

別表 (第二十八条の二、第二十九条関係)

等級 日数 障害
第一級 三一三 一 両眼が失明したもの
二 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
五 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
六 両上肢の用を全廃したもの
七 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
八 両下肢の用を全廃したもの
第二級 二七七 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
五 両上肢を腕関節以上で失つたもの
六 両下肢を足関節以上で失つたもの
第三級 二四五 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
第四級 二一三 一 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力を全く失つたもの
四 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
五 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両手の手指の全部の用を廃したもの
七 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
第五級 一八四 一 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
四 一上肢を腕関節以上で失つたもの
五 一下肢を足関節以上で失つたもの
六 一上肢の用を全廃したもの
七 一下肢の用を全廃したもの
八 両足の足指の全部を失つたもの
第六級 一五六 一 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
四 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
五 脊柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの
六 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
八 一手の五の手指又は母指及び示指を含み四の手指を失つたもの
第七級 一三一 一 一眼が失明し、他眼の視力が ・六以下になつたもの
二 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
三 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
四 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
五 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
六 一手の母指及び示指を失つたもの又は母指若しくは示指を含み三以上の手指を失つたもの
七 一手の五の手指又は母指及び示指を含み四の手指の用を廃したもの
八 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
九 一上肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
一〇 一下肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
一一 両足の足指の全部の用を廃したもの
一二 女子の外貌に著して醜状を残すもの
一三 両側の睾丸を失つたもの
第八級 五〇三 一 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 脊柱に運動障害を残すもの
三 一手の母指を含み二の手指を失つたもの
四 一手の母指及び示指又は母指若しくは示指を含み三以上の手指の用を廃したもの
五 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
八 一上肢に仮関節を残すもの
九 一下肢に仮関節を残すもの
一〇 一足の足指の全部を失つたもの
一一 脾臓又は一側の腎臓を失つたもの
第九級 三九一 一 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
三 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
五 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
六 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
七 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
八 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
九 一耳の聴力を全く失つたもの
一〇 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
一一 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
一二 一手の母指を失つたもの、示指を含み二の手指を失つたもの又は母指及び示指以外の三の手指を失つたもの
一三 一手の母指を含み二の手指の用を廃したもの
一四 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
一五 一足の足指の全部の用を廃したもの
一六 生殖器に著しい障害を残すもの
第一〇級 三〇二 一 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
三 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
四 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
五 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
六 一手の示指を失つたもの又は母指及び示指以外の二の手指を失つたもの
七 一手の母指の用を廃したもの、示指を含み二の手指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の三の手指の用を廃したもの
八 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
一〇 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
一一 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第一一級 二二三 一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
四 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
六 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
七 脊柱に奇形を残すもの
八 一手の中指又は薬指を失つたものの
九 一手の示指の用を廃したもの又は母指及び示指以外の二の手指の用を廃したもの
一〇 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
一一 胸腹部臓器に障害を残すもの
第一二級 一五六 一 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
四 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの五 鎖骨、胸骨 肋骨、肩胛骨又は骨盤骨に著しい奇形を残すもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
八 長管骨に奇形を残すもの
九 一手の中指又は薬指の用を廃したもの
一〇 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
一一 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
一二 局部に頑固な神経症状を残すもの
一三 男子の外貌に著しい醜状を残すもの
一四 女子の外貌に醜状を残すもの
第一三級 一〇一 一 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
三 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
四 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 一手の小指を失つたもの
六 一手の母指の指骨の一部を失つたもの
七 一手の示指の指骨の一部を失つたもの
八 一手の示指の末関節を屈伸することができなくなつたもの
九 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
一〇 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
一一 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
第一四級 五六 一 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
二 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
三 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
四 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
五 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
六 一手の小指の用を廃したもの
七 一手の母指及び示指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
八 一手の母指及び示指以外の手指の末関節を屈伸することができなくなつたもの
九 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
一〇 局部に神経症状を残すもの
一一 男子の外貌に醜状を残すもの

2011/11/07