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一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律

(平成六年六月十五日法律第三十三号)

(趣旨)
第一条  この法律は、別に法律で定めるものを除き、国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)第二条 に規定する一般職に属する職員(以下「職員」という。)の勤務時間、休日及び休暇に関する事項を定めるものとする。

(人事院の権限及び責務)
第二条  人事院は、この法律の実施に関し、次に掲げる権限及び責務を有する。
一  職員の適正な勤務条件を確保するため、勤務時間、休日及び休暇に関する制度について必要な調査研究を行い、その結果を国会及び内閣に同時に報告するとともに、必要に応じ、適当と認める改定を勧告すること。
二  この法律の実施に関し必要な事項について、人事院規則を制定し、及び人事院指令を発すること。
三  この法律の実施の責めに任ずること。

(内閣総理大臣の責務)
第三条  内閣総理大臣は、各省各庁の長(内閣総理大臣、各省大臣、会計検査院長及び人事院総裁並びに宮内庁長官及び各外局の長をいう。以下同じ。)が行う勤務時間、休日及び休暇に関する事務の運営に関し、その統一保持上必要な総合調整を行うものとする。

(各省各庁の長の責務等)
第四条  各省各庁の長は、勤務時間、休日及び休暇に関する事務の実施に当たっては、公務の円滑な運営に配慮するとともに、職員の健康及び福祉を考慮することにより、職員の適正な勤務条件の確保に努めなければならない。
2  各省各庁の長は、この法律による権限の一部を部内の職員に委任することができる。

(一週間の勤務時間)
第五条  職員の勤務時間は、休憩時間を除き、一週間当たり四十時間とする。
2  国家公務員法第八十一条の五第一項 に規定する短時間勤務の官職を占める職員(以下「再任用短時間勤務職員」という。)の勤務時間は、前項の規定にかかわらず、休憩時間を除き、一週間当たり十六時間から三十二時間までの範囲内で、各省各庁の長が定める。

(週休日及び勤務時間の割振り)
第六条  日曜日及び土曜日は、週休日(勤務時間を割り振らない日をいう。以下同じ。)とする。ただし、各省各庁の長は、再任用短時間勤務職員については、これらの日に加えて、月曜日から金曜日までの五日間において、週休日を設けることができる。
2  各省各庁の長は、月曜日から金曜日までの五日間において、一日につき八時間の勤務時間を割り振るものとする。ただし、再任用短時間勤務職員については、一週間ごとの期間について、一日につき八時間を超えない範囲内で勤務時間を割り振るものとする。
3  各省各庁の長は、試験研究に関する業務に従事する職員で人事院規則で定めるものについて、始業及び終業の時刻について職員の申告を考慮して当該職員の勤 務時間を割り振ることが公務の能率の向上に資すると認める場合には、前項の規定にかかわらず、人事院規則の定めるところにより、職員の申告を経て、四週間 ごとの期間につき前条に規定する勤務時間となるように当該職員の勤務時間を割り振ることができる。

第七条  各省各庁の長は、公務の運営上の事情により特別の形態によって勤務する必要のある職員については、前条第一項及び第二項の規定にかかわらず、週休日及び勤務時間の割振りを別に定めることができる。
2  各省各庁の長は、前項の規定により週休日及び勤務時間の割振りを定める場合には、人事院規則の定めるところにより、四週間ごとの期間につき八日(再任用短時間勤務職員にあっては、八日以上)の週休日を設け、及び当該期間につき第五条に規定する勤務時間となるように勤務時間を割り振らなければならない。た だし、職務の特殊性又は当該官庁の特殊の必要により、四週間ごとの期間につき八日の週休日を設け、又は当該期間につき同条に規定する勤務時間となるように 勤務時間を割り振ることが困難である職員について、人事院と協議して、人事院規則の定めるところにより、五十二週間を超えない期間につき一週間当たり一日 以上の割合で週休日を設け、及び当該期間につき同条に規定する勤務時間となるように勤務時間を割り振る場合には、この限りでない。

(週休日の振替等)
第八条   各省各庁の長は、職員に第六条第一項又は前条の規定により週休日とされた日において特に勤務することを命ずる必要がある場合には、人事院規則の定めるとこ ろにより、第六条第二項若しくは第三項又は前条の規定により勤務時間が割り振られた日(以下この条において「勤務日」という。)のうち人事院規則で定める 期間内にある勤務日を週休日に変更して当該勤務日に割り振られた勤務時間を当該勤務することを命ずる必要がある日に割り振り、又は当該期間内にある勤務日 の勤務時間のうち四時間を当該勤務日に割り振ることをやめて当該四時間の勤務時間を当該勤務することを命ずる必要がある日に割り振ることができる。

(休憩時間)
第九条  各省各庁の長は、第六条第二項若しくは第三項、第七条又は前条の規定により勤務時間を割り振る場合には、人事院規則の定めるところにより、休憩時間を置かなければならない。

(通常の勤務場所を離れて勤務する職員の勤務時間)
第十条   第六条第二項若しくは第三項、第七条又は第八条の規定により勤務時間が割り振られた日(第十五条第一項において「勤務日等」という。)に通常の勤務場所を 離れる勤務のうち研修その他の勤務する時間帯が定められる勤務で人事院規則で定めるものを命ぜられた職員については、当該勤務を命ぜられた時間をこれらの 規定により割り振られた勤務時間とみなす。

(船員の勤務時間の特例)
第十一条   各省各庁の長は、船舶に乗り組む職員(再任用短時間勤務職員を除く。)について、人事院と協議して、第五条第一項に規定する勤務時間を一週間当たり二時間 を超えない範囲内において延長することができる。この場合における第六条第二項本文及び第三項、第七条第二項並びに第八条の規定の適用については、第六条 第二項本文中「八時間」とあるのは「八時間に第十一条の規定により延長した時間の二分の一を超えない範囲内において各省各庁の長が定める時間を加えた時 間」と、第六条第三項中「前条に規定する勤務時間」とあり、及び第七条第二項中「第五条に規定する勤務時間」とあるのは「第十一条の規定により延長された 後の勤務時間」と、同項ただし書中「同条に規定する勤務時間」とあるのは「同条の規定により延長された後の勤務時間」と、第八条中「四時間」とあるのは 「四時間に三十分を超えない範囲内において各省各庁の長が定める時間を加えた時間」とする。

第十二条   船舶に乗り組む職員で人事院規則で定めるものの勤務時間については、当該職員が第六条第二項若しくは第三項、第七条又は第八条の規定により勤務時間が割り 振られた時間以外の時間に人命を救助するため緊急を要する作業その他の人事院規則で定める作業に従事する場合には、第五条又は前条の規定による勤務時間の ほか、当該作業に従事する時間は、当該職員の勤務時間とする。

(正規の勤務時間以外の時間における勤務)
第十三条   各省各庁の長は、第五条から第八条まで、第十一条及び前条の規定による勤務時間(以下「正規の勤務時間」という。)以外の時間において職員に設備等の保 全、外部との連絡及び文書の収受を目的とする勤務その他の人事院規則で定める断続的な勤務をすることを命ずることができる。
2  各省各庁の長は、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合には、正規の勤務時間以外の時間において職員に前項に掲げる勤務以外の勤務をすることを命ずることができる。

(休日)
第十四条  職員は、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日(以下「祝日法による休日」という。)には、特に勤務することを命ぜられる者を除き、正規の勤務時間にお いても勤務することを要しない。十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(祝日法による休日を除く。以下「年末年始の休日」という。)についても、同様 とする。

(休日の代休日)
第十五条   各省各庁の長は、職員に祝日法による休日又は年末年始の休日(以下この項において「休日」と総称する。)である勤務日等に割り振られた勤務時間の全部(次 項において「休日の全勤務時間」という。)について特に勤務することを命じた場合には、人事院規則の定めるところにより、当該休日前に、当該休日に代わる 日(次項において「代休日」という。)として、当該休日後の勤務日等(休日を除く。)を指定することができる。
2  前項の規定により代休日を指定された職員は、勤務を命ぜられた休日の全勤務時間を勤務した場合において、当該代休日には、特に勤務することを命ぜられるときを除き、正規の勤務時間においても勤務することを要しない。

(休暇の種類)
第十六条  職員の休暇は、年次休暇、病気休暇、特別休暇及び介護休暇とする。

(年次休暇)
第十七条  年次休暇は、一の年ごとにおける休暇とし、その日数は、一の年において、次の各号に掲げる職員の区分に応じて、当該各号に掲げる日数とする。
一  次号及び第三号に掲げる職員以外の職員 二十日(再任用短時間勤務職員にあっては、その者の勤務時間等を考慮し二十日を超えない範囲内で人事院規則で定める日数)
二  次号に掲げる職員以外の職員であって、当該年の中途において新たに職員となり、又は任期が満了することにより退職することとなるもの その年の在職期間等を考慮し二十日を超えない範囲内で人事院規則で定める日数
三  当該年の前年において国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法 (昭和二十九年法律第百四十一号)の適用を受ける職員、独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第二項 に規定する特定独立行政法人の職員、特別職に属する国家公務員、地方公務員又は公庫の予算及び決算に関する法律 (昭和二十六年法律第九十九号)第一条 に規定する公庫その他その業務が国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち人事院規則で定めるものに使用される者(以下この号において「給与特 例法適用職員等」という。)であった者であって引き続き当該年に新たに職員となったものその他人事院規則で定める職員 給与特例法適用職員等としての在職 期間及びその在職期間中における年次休暇に相当する休暇の残日数等を考慮し、二十日に次項の人事院規則で定める日数を加えた日数を超えない範囲内で人事院 規則で定める日数
2  年次休暇(この項の規定により繰り越されたものを除く。)は、人事院規則で定める日数を限度として、当該年の翌年に繰り越すことができる。
3  年次休暇については、その時期につき、各省各庁の長の承認を受けなければならない。この場合において、各省各庁の長は、公務の運営に支障がある場合を除き、これを承認しなければならない。

(病気休暇)
第十八条  病気休暇は、職員が負傷又は疾病のため療養する必要があり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇とする。

(特別休暇)
第十九条  特別休暇は、選挙権の行使、結婚、出産、交通機関の事故その他の特別の事由により職員が勤務しないことが相当である場合として人事院規則で定める場合における休暇とする。この場合において、人事院規則で定める特別休暇については、人事院規則でその期間を定める。

(介護休暇)
第二十条   介護休暇は、職員が配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、父母、子、配偶者の父母その他人事院 規則で定める者で負傷、疾病又は老齢により人事院規則で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障があるものの介護をするため、勤務しないことが相当であ ると認められる場合における休暇とする。
2  介護休暇の期間は、前項に規定する者の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態ごとに、連続する三月の期間内において必要と認められる期間とする。
3  介護休暇については、一般職の職員の給与に関する法律 (昭和二十五年法律第九十五号)第十五条 の規定にかかわらず、その期間の勤務しない一時間につき、同法第十九条 に規定する勤務一時間当たりの給与額を減額する。

(病気休暇、特別休暇及び介護休暇の承認)
第二十一条  病気休暇、特別休暇(人事院規則で定めるものを除く。)及び介護休暇については、人事院規則の定めるところにより、各省各庁の長の承認を受けなければならない。

(人事院規則への委任)
第二十二条  第十六条から前条までに規定するもののほか、休暇に関する手続その他の休暇に関し必要な事項は、人事院規則で定める。

(非常勤職員の勤務時間及び休暇)
第二十三条  常勤を要しない職員(再任用短時間勤務職員を除く。)の勤務時間及び休暇に関する事項については、第五条から前条までの規定にかかわらず、その職務の性質等を考慮して人事院規則で定める。

附則(略)

2011/11/07