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92権利討論集会第7分科会報告 弁護士 村田浩治(民主法律時報253号・1992年3月)

92春闘と権利討論集会
 2月14日~15日、323名が参加

 今年も多忙ななか、323名もの熱心な参加者を得て、充実した集会をもつことができました。
 佐高信さんの記念講演は 「おもしろい」「わかりやすい」と好評で、新風を吹き込んでくれました。
 分科会は、家族の会が中心となった過労死分科会など、新しい発展方向も見えましたが、参加者の規模と実質的な討論の確保との関係や、来年にまでつなげる継続的な取り組みの必柴などが課題として感じられました。
 新企画の「夜の交流会」は、人数にバラツキがあったものの、おおむね好評だったようです、佐高さんはアイドルのようでした。
 また、夕食時の争議団からの訴えは、声が通りにくい食堂にもめげない真筆な訴えが共感を呼んでいました。   (阪田健夫・記)

第7分科会  過労死のない社会をつくるために

1、第7分科会の参加者は延べ27名、労働組合や職対連の参加者に混じって、今年も過労死家族の会からも3名参加頂いた。

2、分科会開始直後は、文書で報告を寄せてくれているレポ一夕ーが一人も出席していないというシビアな事実にも関わらず、沈着冷静(ふてぶてしい?)な岩城弁護士が昨年の権利討論集会から1年間の間に大阪の過労死連絡会に関連して労災認定を取った事件についての報告概要を行った。

3、その後、松丸弁護上が過労死(過労労災)認定上の問題点、現在の認定基準の限界等についての報告と併せて現在全国過労死家族の会や過労死弁護団が提起している新認定基準案やそれに伴う労働基準法の改正案等の説明をおこなった。

4、1日目はその後、現在進行中の事件交流等も行われたが、家族の会からは「労働組合に対する支援要請に行っても組合が家族の会の実態がわからないまま、組織としての参加のために要請の内容を整理してくれ等、逆に組合から言われて困ったこと等の率直な意見が表明された。また参加者からも、「個人で困っている遺族や家族の要請に応えられない組合でいいのか」と言った批判もだされ、家族の会の問題提起を労働組合としても受け止めようとする声も表明されるに至った。時短といっても健康の問題がまだ充分ではないのではないかという声も上がり本年はさながら家族の会が分科会の問題提起者として主体的に参加し組合もその声に触発されたという感となった。

5、2日目は社会学者として企業社会論を研究しておられる荒岡先生に過労死を生み出す日本の構造に関する分析を含めた詳細な報告を頂いた。
 やや専門的で難解な面があり、事前の講師への伝達等で不十分な点があったように思われる。
 その後も家族の会の要望、要請等も分科会参加組合になされた。ここでも家族の会の積極的な発言が目立った。

6、最後に滝沢先生が分科会全体のまとめを行った。

 参加者の感想はためになったという反面、難解、深めたりないという声も聞こえている。
 今後は総論的な報告や事件報告だけでなく具体的な組合の取組、安全衛生委員会の活用法等の実践的取組の報告をおこない、組合として何ができるのかといった点を議論するなど、救済だけでなく予防のための具体的な措置の声をてあげていかなくてはならないであろう。
        (弁護土 村田浩治)
(民主法律時報253号・1992年3月)

1992/03/01